三岐鉄道はこのほど、北勢線の開業100周年(2014年)を記念し、同線で運用している車両の一部を三重交通時代の塗装に変更した。10月29日から運行を開始している。
北勢線は1914年4月5日、現在の西桑名(三重県桑名市)~楚原(いなべ市)間が北勢鉄道(後に北勢電気鉄道に改称)の路線として開業。その後順次延伸され、1931年までに西桑名~阿下喜間が全通した。
戦時中の1944年、北勢線は三重県内の他の鉄道・バス会社との合併により三重交通の路線に。戦後は子会社(三重電気鉄道)への譲渡を経て、1965年に近畿日本鉄道(近鉄)が三重電鉄を合併した。2000年になると、近鉄は輸送人員の減少などによる経営の悪化から北勢線の廃止を計画したが、沿線自治体は鉄道の存続を模索。2003年から近隣の鉄道会社である三岐鉄道に移管されている。
今回、三重交通時代の塗装に変更されたのは、4両編成1本(クハ202+サハ101+サハ201+クモハ277)のうちクモハ277を除く3両。車体下部が緑、上部がクリームの2色になっている。三岐鉄道によると、クモハ277は「車両検査の都合」で塗装を変更しなかったが、2014年秋頃には変更する予定としている。