【鉄視点】なじみ客も離れ、新たな客が来るか…移り行く梅田貨物駅界隈

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梅田貨物駅を通過する特急列車(2013年4月末)
  • 梅田貨物駅を通過する特急列車(2013年4月末)
  • 城東貨物線の脇で活動する地元漕艇部
  • JR塚本駅側の淀川河川敷から梅田を眺める
  • 吹田貨物ターミナル駅(2013年4月末)
  • 5~7階部分を阪神高速が貫く、16階建てのゲートタワービル(2013年2月)
  • 抜け殻となった梅田貨物駅(2013年4月末)
  • 近鉄の観光特急「しまかぜ」(2013年4月末)
  • 近鉄の鮮魚列車が鶴橋駅を出発(2013年4月末)

JR大阪駅の北側、「グランフロント大阪」のオープンなどで注目される再開発エリアのひとつ、梅田貨物駅。新梅田シティとヨドバシカメラマルチメディア梅田の間に挟まれたこの駅のまわりを歩くと、再開発の波に呑まれる地元の人たちの声が聞こえてきた。

梅田貨物駅の西側で小さな居酒屋を営む50代の店主は、「これから?(駅関係者などの)なじみの客も離れちゃったし、再開発工事が終わったあと、新たな客が来てくれるかなんて、誰もわからない」と話す。

3月ダイヤ改正で廃止となった梅田貨物駅。4月末に駅周辺を歩くと、全国各地へと出発する貨物列車や、ずらりと並べられたコンテナの姿も消え、“巨大な抜け殻”と化していた。前出の居酒屋店主は賑わっていたころを思い出して振り返る。

「JRになる前、国鉄のころは駅で働く人たちがよく立ち寄ってくれた。0時を過ぎた真夜中、貨物列車が次々と出発するころになると、ピーッという汽笛の音を聞きながら、『ああ、岡山までの(貨物)列車が出る時間か』なんて話をしながら酒を酌み交わす客の姿があった」

梅田貨物駅の役目は吹田貨物ターミナル駅と百済貨物ターミナル駅に譲られ、貨物列車が往来する姿は見られなくなったが、その脇の通過線を通り過ぎる旅客列車がいまも存在する。京都と関空などを結ぶ特急「はるか」や、京都と新宮を結ぶ特急「くろしお」などの姿だ。

このエリアの再開発では、通過線などが地下化されるという計画もあるが、居酒屋店主は「どうなることか」と嘆く。

「この近くを新たに地下鉄が通るっていうけど、ずうっと(梅田貨物)駅といっしょに生きてきた身分、再開発後の行方については、正直まったくわからない」

近くを走る阪急線にも新たな動きがあるとささやかれている梅田貨物駅界隈。移りゆく街並のいまを写真でご紹介する。

《レスポンス編集部》

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