日産自動車が12月5日発売した新型『シルフィ』は日本市場向けだけを追浜工場で生産する。しかも月販はわずか600台だが、日産の志賀俊之COOは「アジアを取り込んだ日本のものづくりの残し方のひとつのパターンになる」と強調する。
新型シルフィは、エンジン、トランスミッション、タイヤ、バッテリーなど一部の部品を除き、パネルも含めタイなど海外から調達し、追浜で組み立てるという生産方式を初めて採用している。
志賀COOは同日、横浜市の本社で開いた新型シルフィ発表会後、一部報道陣に対し「600台で、これだけの車を国内投資するのは正直無理、成立しない。それをあえてやったのは、やはり我々として日本に少しでもものづくりを残していくため」と述べた。
その上で「現地生産が増えれば増えるほど日本が空洞化していく。それをどうバランスとるか、やはり開発部隊、あるいはサプライヤーさんが日本にいるから、そういう人たちをしっかりと残って頂くという構図の中で円高対応もしながら、ものづくりを残す対策をした」と説明した。