農家の戦力として欠かすことができないのが軽トラックだ。自宅から農地までさまざまな道具を載せて移動し、収穫物を農協などに届けるという一連の移動に多くの農家が軽自動車を使っている。
しかし、困った問題が発生している。ガソリンスタンドの減少問題だ。毎日の走行距離が1kmに満たないような状況なのに、ガソリンスタンドがあるのは10kmも先といったことが発生。頭を痛めている農家も多いというのだ。
そんな農家に朗報となるのが、三菱の「MiEV」シリーズの第三弾となる軽トラックの『ミニキャブMiEVトラック』だ。シート下に搭載されたリチウムイオンバッテリーに充電、41馬力のモーターを駆動して走る。充電時間は200Vの普通充電で4.5時間、100Vの普通充電で14時間。急速充電(80%)なら15分で完了する。
EVなので発進加速がなめらかで力強い。大量に作物を積んだときも、発進のショックで荷物を落とすようなことも少なく済むだろう。かなり勾配のきつい山道で試乗をしたが、力不足を感じるようなことはなかった。
JC08モードでの航続距離は110kmとなっているが、一走行でこの半分も走らないパターンも多いはず。仕事から帰って、充電用ケーブルを差し込んでおけば、100Vだって十分に事足りるだろう。
また、ディーラーオプションのミーブパワーボックスを使えば、最大1500Wの容量の電源として使うことも可能。仕事はもちろん、非常時の電源としても役立つ。
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。