気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年8月27日付
●最大級台風沖縄を直撃(読売・1面)
●日産エコカー、日立製電池、系列NEC製採用せず、値下げ圧力強める(読売・2面)
●社説:電気自動車、超小型で新たな市場の開拓を(読売・3面)
●生き残りへ「脱クルマ」愛知・トヨタ下請け中小、異業種に進出(朝日・4面)
●駐車場4階から転落、帝国ホテル乳幼児含む3人けが(毎日・31面)
●ヤングなでしこ8強、U20W杯(東京・1面)
●この人、トヨタの伝説スポーツカー半世紀ぶりに復元したOB諸星和夫さん(東京・3面)
●正常化時期、半月で判断、スズキのインド工場、会長が見通し(日経・9面)
●「自転車は車道」安心走行まだ、歩行者との事故減る一方(日経・39面)
ひとくちコメント
厳しい残暑が続いているのでなかなか実感がわかないが、ロンドン五輪に沸いた8月も今週で終了する。ビジネスの世界でも新たな動きが出始める頃だが、自動車業界とっては気になる記事をきょうの読売と朝日が取り上げている。
それによると、読売は「日産自動車が2013年に米国で発売するエコカーに搭載するリチウムイオン電池に日立製作所グループ製を採用する」と報じている。ニュース性がどこにあるのかといえば、日産は、すでにNECグループと、リチウムイオン電池の開発を進める合弁会社を設立しており、電気自動車の「リーフ」などは、ほぼ全量をその合弁会社から調達している。
それが系列外の日立グループからも調達するというもので、日産の「系列崩し」は、「より安い価格で調達する狙いで、リチウムイオン電池の値下げ圧力がさらに強まりそうだ」(読売)と伝えている。
一方で、朝日は「トヨタ自動車のお膝元・愛知県で『脱クルマ』の動きが広がっている」と、取り上げている。生産拠点の海外シフトが進み、中小企業は国内で車関連の増加が望みづらくなったからだという。記事では80年近い歴史をもつ中部地方の自動車に並ぶ産業を見つけるのは「至難の業」だと指摘している。
読売も朝日の記事も自動車メーカーを取り巻く環境の厳しさから「危機感」が伝わる内容である。トヨタが先週発表した新型「オーリス」のキャッチコピーは「常識に尻を向けろ」だった。そのCMの賛否については25日付の東京が「こちら特報部」で取り上げているが、トヨタにしても従来のパータンを打破しなければ、「シャープの二の舞」になると訴えているようにも受け取れる。