日産自動車は9月に発売する新型『ノート』に、新たなPURE DRIVE(エンジン進化型エコカー)技術として「エコスーパーチャージャー(DIG-S)」と名付けたスーパーチャージャー付き3気筒1.2リッター直噴ガソリンエンジン(HR12DDR型)を搭載する。
HR12DDRエンジンのJC08モード燃費は25.2km/L。4気筒1.5リッターエンジンを搭載している現行ノートの18.0 km/Lから大幅に燃費性能を向上している。
HR12DDRエンジンの開発主管を務める岸一昭氏は「JC08モードではスーパーチャージャーは作動しない」とした上で、「スーパーチャージャーが無い状態で成立するようにできているが、ドライバーの意図に応じてより力強い加速をしたいという時にはスーパーチャージャーのクラッチをつないで、全開のトルクを上げていく、こんなシステムを使っている」と明かす。
実際、HR12DDRの最大トルクは142N・mと、現行ノートの148 N・mに迫る数値となっている。「車両のサイズとエンジン排気量をどう選ぶか、うちは3気筒を持っているというのがすごい強み」と岸氏は胸を張る。
一方、燃費向上に関しては「フリクションの低減、ポンピングロスの低減、それから熱損失をとるための燃焼効率の向上という3つの視点から図った」と語る。
このうち燃焼効率は、圧縮比を現行ノートの10.5よりも高い12.0にしたのを始め、直噴システムの採用などで向上を図った。またフリクション低減では水素フリーDLCコーティングしたピストンリングやバルブリフタ、可変容量オイルポンプ、回転変動吸収クランクプーリーなどの各種技術を採用。さらにミラーサイクルと外部EGRでポンピングロスを低減したという。
「今回、ダウンサイジングもやれば、高圧縮でミラーサイクルということもやった。ハイブリッドで燃費を稼ぐのであればダウンサイジングしなくても、それもひとつの手段だと思う。しかし、どうしても、つくものが多ければそれだけお金がかかるので、そうではないやり方でどこまでやるかというのも必要になってくる」と岸氏は述べた。