トヨタ自動車が26日に発表した新型ハイブリッドコンパクトカー『アクア』。一般ユーザー向けのグレードは179万円からと、同クラスの『ヴィッツ』に比べて40万円ほど高いが、すでに6万台の受注を集める人気ぶりとなっている。
サイズの割に広い室内、ユーロモデルの『アイゴ』を連想させるデザインとボディカラー、そしてJC08モード燃費35.4km/リットルという圧倒的な燃費性能などに注目が集まる。
そのアクアの最大のライバルとしてまず連想されるのは、ホンダ『フィットハイブリッド』であろう。が、トヨタが意識しているのはフィットハイブリッドよりむしろ、最近話題を集めている非ハイブリッドのエコカーだという。
「マツダ『デミオ』を皮切りに、ハイブリッドでないエコカーが出てきています。ハイブリッドほどでなくとも燃費が良く、価格は安い。それらのモデルを買おうとしているユーザーをどこまで引き付けられるかが勝負どころですね」(トヨタ幹部)
非ハイブリッドエコカーは普通車、軽自動車とも、今後も急速に増えるものとみられ、ハイブリッドカーに求められるコストパフォーマンスのハードルも日増しに高まるのは確実な情勢である。燃費やデザイン、室内スペースなどが生む付加価値も含めたトータルなコストパフォーマンスでそれらのモデルと競合できるクルマ作りへのトライというのも、アクアの開発目的のひとつといえそうだ。