日産自動車は2日、電気自動車(EV)『リーフ』のバッテリーから一般住宅へ電力供給するシステムを開発し、横浜市で報道陣に公開した。
システムはリーフの急速充電ポートから電力制御装置(PCS)を経由して住宅の分電盤に直接接続する方式。PCSはリーフと住宅の間で双方向に電力供給ができる。インバーターなどから成るPCSは、EV向けの日本の急速充電規格であるCHAdeMOのプロトコル(制御手順)を採用した。
PCSからの出力は6kWと大きく、一般家庭の家電を同時に使用することが可能という。リーフのバッテリー容量は24kWhであり、家庭ではほぼ2日分の消費をまかなえる。
系統への電力供給は行わない住宅クローズの方式だが、太陽光発電装置を設置している住宅では同装置からリーフへの給電もできる。
システムは積水ハウスが横浜市の日産グローバル本社近くに建設したモデル住宅に設置しており、実用化実験を進める。
日産の渡部英朗執行役員は、「リーフのバッテリーを仲介役にモビリティと将来のスマートハウスの融合を進めたい」と語った。商業化については「住宅や電機メーカーなどと連携しながら2011年度内の販売を目指したい」と述べた。