【新聞ウォッチ】ビンラディン殺害、ソニー情報流出、ユッケ集団中毒、そして浜岡原発全面停止へ

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気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップ、内幕を分析するマスメディアクルージング。

2011年5月9日付

東日本大震災からまもなく2か月。福島第一原発の事故は相変わらず収束の見通しがはっきりしないまま過酷な作業が続いている。重苦しい雰囲気を少しは和らげてくれるかのような新緑が目にまぶしい中で迎えた大型連休。ボランティア活動のために被災地に向かった人、震災による生産の遅れを取り戻したり、夏場の電力制限に備え、前倒し生産のために休日を返上した企業など、いつものようなゴールデンウィーク(GW)とは違っていた。

それでも4月29日から5月8日まで連続10日間という超大型の連休を満喫した人も多く、全国の観光地や商店街などでも活気を取り戻す機会にしようと復興イベントを計画、若者や家族連れなどで久しぶりににぎわいを見せていた。ただ、震災の影響で遠出を自粛するムードは依然として根強く、新幹線のホームや空港ロビーは例年のような混雑は見られなかったようだ。

そんな中、6月中には「休日1000円」の高速道路料金がなくなることが決まったことで、GW中に“最後の1000円ドライブ”を楽しもうとするマイカーで、高速道路は連日大渋滞。被災地を走る東北道などを無料化する動きもあるが、廃止までの休日は“駆け込みドライブ”が増えそうだ。

異例ずくめのGWだったが、海外からビッグニュースも飛び込んできた。英ウィリアム王子の結婚式は既定路線だが、4月30日の各紙の朝刊はバッキンガム宮殿のバルコニーで、キャサリン妃とのキスシーンなどをカラー写真で大きく掲載した。

それから3日後の5月2日の夕刊は「ビンラディン容疑者死亡、米、パキスタンで殺害」(朝日)と、オバマ大統領が声明を発表したことで全紙が1面トップで報じた。「ヘリ急襲銃撃40分、遺体は海に」(毎日)などと、3日の朝刊も各紙が1面トップで続報した。

一方、国内では企業トップの“謝罪”が目立った。ソニーはプレイステーションなどのネット配信サービスからの個人情報流出で、1日に初めて記者会見を開き、平井一夫副社長が「利用者に多大な迷惑をかけた」と謝罪した。最大1億件もの個人情報が違法に持ち出された可能性があることも判明。ソニーはFBIに捜査を依頼したが、読売の5日付の社説では「ネット事業を強化するソニーの成長戦略に影響が出るのは避けられまい」と指摘している。

焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」では、生肉のユッケを食べた客が大腸菌「O-111」に感染。第一報は30日の朝刊で、各紙とも社会面の片隅に小さく掲載したが、8日までに4人が死亡、100人以上が食中毒の症状を訴えるなど、集団食中毒に広がると、5日の朝日は1面トップ報道。焼き肉チェーンの経営陣が土下座するシーンがテレビのニュース番組などでも流れた。

土下座といえば、東京電力の清水正孝社長が4日、震災後、2回目となる福島県内の避難所などを訪問。避難者から「ここに住んでみて下さい。苦しみがわかるから」などの訴えが相次ぎ、「改めておわび申し上げます」と床に正座して謝罪。朝日は「東電社長、土下座で謝罪」(5日)と社会面で取り上げた。

また、菅直人首相が6日夜に緊急会見し、浜岡原発にあるすべての原子炉の運転を停止するように中部電力に要請したと発表。7日の全紙の朝刊が1面トップで「浜岡原発全面停止へ」と取り上げたが、中電側の結論は9日以降に持ち越された。

ところで、気になるのはGW中の自動車関連の記事。震災の影響で工場も販売店も“開店休業”状態のままGWに突入したこともあり、驚くような話題は見当たらなかった。2日には、自販連などが4月の新車販売台数を発表したが、前年同月比47.3%減の18万5673台。3日の各紙は「新車販売4月は半減、単月で過去最低」(朝日)、「在庫底突き開店休業、4月下落率最大」(毎日)などと、予想通りの落ち込みだった。

米国の新車の販売状況もまとまったが、5日の日経は「ビッグ3=22%増、日本勢=7%増止まり」と、日米で明暗が分かれたと伝えている。さらに、6日の夕刊では「GM、トヨタ抑え世界販売首位に、1〜3月期」(毎日)と報じた。

米国からのホットな情報としては、ニューヨーク市が「イエローキャブ」のタクシーを日産のミニバン『NV200』に統一し、2013年から5年かけて切り替えると発表。「EV化も検討中で、将来は“EV型イエローキャブ”が登場する可能性もある」(東京=5日)と伝えている。

今週は上場企業の決算発表がピークを迎える。自動車各社も生産・販売計画の大幅下方修正は必至で、震災が業績などに与える影響を注意深く見守りたい。

《福田俊之》

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