【新聞ウォッチ】自動車トップ、相次ぎ被災地入り

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豊田章男社長(工場)
  • 豊田章男社長(工場)
  • いわき工場(資料画像)
  • 先行試作車第1号 SIM-LEI

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年3月30日付

●福島第一、2・3号機汚染水回収急ぐ、1号機、水位下がらず(読売・1面)

●10メートル津波想定なし、全国の原発54基本社調べ(読売・3面)

●車生産再開の道険しく、地震被災工場は今、稼働へ修復急ぐ日産(読売・8面)

●建屋特殊布で覆う案、内閣、放射能対策米参加(朝日・1面)

●日立、復興へ一歩、茨城・主力工場が本格再開(朝日・7面)

●被災の宮城工場トヨタ社長視察、「今後も東北で」(毎日・7面)

●節電計画企業に要請、政府、大口需要の規制検討、長引く操業停止、計画停電、海外の攻勢、部材不足、日本経済“重し”(産経・1面)

●経団連副会長 東電社長が退任へ(産経・5面)

●生産再開4月半めど、日産、部品各社に納入要請(日産・5面)

●日産、大型エンジンを米から逆輸入へ(東京・5面)

●茨城空港に原発の影、開港1年海外便欠航、客が激減(東京・27面)

●自動車リース統合、三井住友系・日立首位に並ぶ(日経・1面)

●部品500種調達難の恐れ、トヨタ、代替品切り替えも(日経・11面)

●充電1回300キロ超走行、慶大発ベンチャー、EV試作(日経・11面)

●ガリバー、営業益51%増、前期、80億円に上方修正(日経・15面)

ひとくちコメント

東日本大震災発生の翌日に福島第一原発や被災地をしたことで、初動対応が遅れたとの批判を受けた菅直人首相だが、きのうの国会では「現地の状況把握をすることが重要で、遅延したという指摘はまったく当たっていない」と反論した。

首相に限らず、企業トップの被災地視察のタイミングが問われているが、自動車業界では、トヨタ自動車の豊田章男社長と日産自動車のカルロス・ゴーン社長が相次いで被災した自社の工場などを訪問したという。

きょうの産経を除く各紙が取り上げているが、興味深いのは視察現場の写真である。読売、朝日、毎日、日経が29日に日産のいわき工場を訪れたゴーン社長のスナップを大きく掲載。

一方の豊田社長だが、毎日は顔写真を使い、東京1紙だけが子会社のセントラル自動車の宮城工場の写真を載せている。しかも、撮影の日付は27日でトヨタから提供された写真である。日経は記事で豊田社長が「27〜28日に宮城県内の被災地を訪れたことを明らかにした」と報じているように、報道陣には非公開。コメントもホームページ上の掲載にとどめている。

このうち、ゴーン社長は約300人の従業員らの前で「危機をチャンスにしてほしい」と激励したという。さらに、この日夜にはテレビのワイドニュース番組に生出演するなどして、フル稼働に向けた意気込みを語っていた。

危機的な状況の中で「特有のパフォーマンス」などとあげつらうつもりはない。むしろ、ゴーン社長がテレビ番組の中でも「今のところ放射能汚染の影響はない」「国内生産100万台体制を変えない」などと明言したように、風評被害を払拭するためにも各社のトップも日本車の安全性や生産体制の維持など自らの方針をわかりやすく訴えていくべきだろう。

《福田俊之》

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