新型『マーチ』は20km/リットルの実用燃費に自信があると開発陣。ハイブリッド並みの燃費をたたき出すクルマが123万円のプライスとなるとこれは事件である。
コンパクトカークラスのライバルとなる、今秋発売される『フィットハイブリッド(HV)』の予想価格について日産自動車商品企画室石塚正樹チーフ・プロダクト・スペシャリストに尋ねてみた。
「150万円程度という報道がありますが、このクラスで30万円の価格差はまったく競合いたしません。目もくれずにマーチを買っていただけると思います。ホンダさんが思い切って140万円で挑戦してきたとしても影響は少ないと思います。万が一、130万円でハイブリッドを出してきたら我々はお手上げですね(笑)」
「でもホンダさんもHV以外のフィットとの価格設定上、130万はあり得ないでしょう。やれるモンならばやってみろ、といった心境です」
「日産はコンパクトカーの燃費改善のための技術としてハイブリッドではなくアイドリングストップを含めたガソリンエンジンの改良が性能的にもコスト的にもベストと判断いたしました。実用燃費では負けるつもりはありませんし、ハイブリッド車というイメージに対して消費者が支払える金額は、このクラスではシビアだろうと考えています」
エコカー補助金が終わる今秋以降、加熱すると想像されるコンパクトエコカー戦争。ホンダは上はトヨタ『プリウス』に、下は日産マーチに価格競争を迫られた格好だ。マーチは挑戦者として先手を打ったことになる。