欧州新車販売6.2%減、3か月連続で減少…6月実績

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キャシュカイ(日本名:デュアリス)
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ACEA(欧州自動車工業会)は15日、6月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は138万3445台。前年同月比は6.2%減と、3か月連続で前年実績を下回った。

5大主要国では、ドイツが前年同月比32.3%減の28万9259台と激減。イタリアは19.1%減の17万0625台と、3か月連続のマイナスだ。フランスも1.3%減の24万0531台と、2か月連続で前年実績を割り込んだ。

その一方、英国は3月末でインセンティブが終了したにもかかわらず、19万5226台を販売し、前年同月比は10.8%増と12か月連続の前年実績超え。スペインも25.6%増の12万1483台となり、10か月連続で前年実績を上回った。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比8.1%減の28万8096台と、3か月連続のマイナス。VWブランドは7.7%減の15万3851台、アウディブランドは7%減の5万8776台、シュコダブランドは6.6%減の4万5419台、セアトブランドは14.2%減の2万9873台と、4ブランドがそろって落ち込んだ。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比5%減の18万7401台と2か月連続で減少。その内訳は、プジョーが2.6%減の10万1277台、シトロエンが7.6%減の8万6124台と、ともに不振だ。

3位のルノーグループ(ダチアを含む)は、15万0257台を販売し、前年同月比は3.8%増。ダチアブランドは7.9%増の2万9371台、ルノーブランドは2.9%増の12万0886台と、好調の歯車が噛み合った。

GMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は5月の5位から4位へ上昇。13万3034台を販売したものの、前年同月比は0.2%減と、3か月連続のマイナスだ。そんな中、オペルは5.3%増の11万5311台と健闘を見せた。

5位はフォードグループ(ボルボを含む)。その販売台数は12万5690台で、前年同月比は14.8%減と、3か月連続のマイナスだ。ただし、ボルボブランドに限れば、新型『S60』を中心に、12.8%増の2万2632台と売れている。

6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、10万0399台を販売。前年同月比は20.4%減と、4か月連続のマイナスだ。ブランド別では、フィアットが21%減の8万0166台、アルファロメオが8.8%減の1万0534台、ランチアが28.3%減の9015台と、そろって不振だ。

7位のBMWグループ(MINIを含む)は、8万0116台を販売し、前年同月比は7.1%増と、2か月ぶりのプラス。MINIブランドは2.4%減の1万4614台にとどまったが、BMWブランドは9.4%増の6万5502台と、新型『5シリーズ』投入の効果が出た。

8位はダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。その販売台数は6万9180台で、前年同月比は7%減と2か月連続の前年割れ。ブランド別では、スマートが10%減の8470台、メルセデスベンツが6.6%減の6万0710台にとどまった。

9位はトヨタグループ(レクサスを含む)で、5万6973台を販売。前年同月比は12.4%減と、5か月連続のマイナスだ。レクサスブランドは1.1%減の1782台と微減だが、主力のトヨタブランドが12.7%減の5万5191台と大幅な減少が続く。

トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比27.1%増の4万2212台と、引き続き好調。『デュアリス』(日本名:『キャシュカイ』)が牽引役だ。三菱も2.3%増の1万0314台と回復を見せた。しかし、ホンダは13.5%減の1万9107台、マツダは2%減の1万8415台、スズキは28.3%減の1万7431台と、苦戦している。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが3万3741台を販売し、前年同月比は3.9%減と2か月連続で減少。キアは5.7%減の2万3460台で14か月ぶりのマイナスと、これまでの好調に終止符を打った。

今年上半期(1〜6月)の欧州新車セールスは、前年同期比0.6%増の749万5520台と、かろうじてプラスを維持。しかし、このダウントレンドの中、通年での前年実績超えは、かなり厳しいといえそうだ。

《森脇稔》

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