日産自動車は12日、栃木工場で新型『フーガ』のオフライン式を行った。その式典で挨拶した志賀俊之COOは「世界最高品質のフーガをお世に送り出す日を迎えられたことをみなさんに感謝する。本当に自信を持って世界に送り出せるクルマができた」と嬉しそうに述べた。
それは栃木工場で働く従業員も同様で、笑顔でこの日を迎えた。高級車ブランドを中心に生産をしている栃木工場は、昨年のリーマンショック以降、生産が激減、「荒波を一番受けた工場」(志賀COO)だった。今年9月までは2本のラインのうち1本が止まっていた。
生産台数を見ても、年産能力27万台超に対し、08年は16万3000台だった。「本当に工場の中は寂しかった」(同工場従業員)という。それだけに、新型『フーガ』によって休止されていたラインが稼働したことは、喜ばしいことだったのだろう。
式典では「祝 新型フーガ誕生 ものづくり品質世界一 明るく元気に達成しよう」を書かれた垂れ幕を前に、従業員が歓声を上げていた。志賀COOもこの光景を見て、目を細めていた。
新型『フーガ』は19日に国内で発売し、年明けから米国など海外でも『インフィニティM』として販売される。志賀COOによると、受注も順調のようだ。