GMの新型HV シボレー ボルト、燃費98km/リットルは本物か?

2009年8月12日(水) 20時18分
シボレー ボルトの燃費は230MPG(マイル・パー・ガロン=約98km/リットル)としているが…の画像
シボレー ボルトの画像
シボレー ボルトの画像
シボレー ボルトの画像
シボレー ボルトの画像

GMは11日、2010年に発売予定のプラグインハイブリッド車、新型シボレー『ボルト』の市街地燃費が、230MPG(マイル・パー・ガロン=約98km/リットル)になるとの見込みを明らかにした。日本でも12日、各種報道で「夢の100km/リットル車登場!!」と騒がれているが、この燃費は現行の米国燃費基準とは異なる方法で計測された数値であることに注意する必要がある。

まずは、ボルトのメカニズムを紹介しておこう。プラグインハイブリッド車のボルトは、家庭用コンセントからも充電できるのが特徴だが、GMが「エクステンデッドレンジEV」と呼ぶように、基本はモーターのみで走行。エンジンを充電専用としている点が、同じハイブリッド車のトヨタ『プリウス』との最大の違いとなる。

ボルトのモーターは最大出力150ps、最大トルク37.7kgmを発生し、最高速度は161km/h。2次電池は蓄電容量16kWhの大型リチウムイオンバッテリーで、充電時間は120Vコンセントで約8時間、240Vコンセントで約3時間だ。

フル充電時の最大航続距離は40マイル(約64km)。バッテリー残量が少なくなると、発電用の1.4リットル直4エンジンが始動。ジェネレーターを回して、モーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電。その結果、航続可能距離は480km以上まで伸びる。「エクステンデッドレンジEV」という名前の由来は、エンジンを回すことで走行距離を延長する電気自動車、という意味が込められている。

さて、GMが主張する230MPG(約98km/リットル)の市街地燃費だが、EPA(米国環境保護局)が年内に導入予定の新燃費基準に基づいている点に留意したい。

EPAの新燃費基準は、プラグインハイブリッド車やEVなど、モーター主体で走行する車両に適用を予定しているもので、GMはこの基準に基づいて、ボルトの試験車両で燃費を計測。まず、バッテリーだけで走行可能な40マイル(約64km)を走行。そこからさらに11マイル(約18km)、充電用エンジンを回しながら走り、トータル51マイル(約82km)を走行した時点で、燃費を計測した。この間、ボルトは0.22ガロン(約0.83リットル)のガソリンしか消費しておらず、結果、230MPG(約98km/リットル)という驚異的な燃費になるわけだ。

この燃費を実現するには、バッテリーはフル充電状態であることが前提。バッテリー残量が少なければ、エンジンの作動時間が長くなるわけで、当然、燃費は98km/リットルよりも悪化することになる。

米国で販売する全新車の燃費を審査するEPAは11日、GMの発表について、「EPAは現在、年内の公表を目指して新燃費基準を策定中。EPAはボルトの燃費を計測しておらず、GMが発表した230MPGの燃費は、公的に認定されたものではない」との声明を出している。

また、一部メディアはボルトの230MPGの燃費をプリウスと比較し、「ボルトの燃費はプリウスの51MPG(約22km/リットル)の4.5倍」と報じているが、計測方法が異なるため、意味がない。

しかし、この「230MPG」のインパクトは強烈。他社に与えた影響も大きく、日産はソーシャルネットワークサービスの「Twitter」において、「新型EV『リーフ』の燃費は、EPAの新燃費基準に照らすと、367MPG(約156km/リットル)になる」との見通しを示し、ボルトをかなり意識している様子だ。

GMは「230MPG」のフレーズをキャンペーン名称として使っており、「世界一の燃費性能を達成」と、ボルトの燃費の良さを大々的にPR。2010年後半のボルト発売後には、「実燃費はたいしたことない」と言われなければいいのだが……。

《森脇稔》
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像
画像

注目ニュース

プリウス プラグインハイブリッド、1770kmの無給油走行に挑戦

米国フロリダ州のトヨタ販売店オーナー、アール・スチュワート氏は1日、先代『プリウス』のプラグインハイブリッド車を使用して、フロリダ州からワシントン州までの1100マイル(約1770km)無給油走行を開...

トヨタ、プラグインHVの国内外展開を発表

トヨタ自動車は、家庭用電源などからの充電もできるプラグインハイブリッド車(PHV)を今年末から法人向けを中心に販売する計画であり、3日、その展開概要を明らかにした。

ハイブリッドスポーツのフィスカー カルマ、サーキットデビューへ

米国のFisker(フィスカー)オートモーティブは7月23日、開発中のプラグインハイブリッドスポーツセダン、『Karma』(カルマ)が、8月15日に行われるヒストリックカーレースでデモ走行すると発表し...

【三菱 i-MiEV】未来を期待させるパフォーマンス

世界初の量産EV(電気自動車)として、7月下旬にデリバリーが開始された三菱自動車『i MiEV(アイミーブ)』。東京ディズニーランドにほど近いベイエリアで開催された、アイミーブの市販モデルの試乗会に参...

ゼロスポーツ…アフターパーツから EVメーカーへ

ゼロスポーツは、スバル系アフターパーツの販売に加え、国内17番目の自動車メーカーとして独自の電気自動車(EV)を販売し続けている。7月1日からは郵便事業向けに、従来のガソリンエンジン集配車をEV化した...

RSS

編集部ピックアップ