中国ブリリアンス、ドイツ衝突安全テストに「失格」

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中国ブリリアンス、ドイツ衝突安全テストに「失格」
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ドイツ自動車連盟(ADAC)は、中国の自動車メーカー、ブリリアンスの『BS4』の衝突安全テストの結果を公表した。最高評価5つ星のところ、結果は星ゼロ。その衝突安全性能に疑問符が付けられた。

ブリリアンスは欧州進出に積極的なメーカーだ。2007年に中型セダンの『BS6』をドイツで発売。08年には小型セダンのBS4を追加した。ドイツで販売する車の安全性を確認するのがADACの役目。BS4にも最新のユーロNCAPに準拠した方式で、前面オフセット衝突テストやサイドクラッシュテストが行われた。

結果は星ゼロ。とくに、運転席エアバッグが正しく展開しなかった点、金属製パーツが衝突の際に鋭く尖り危険な点、ペダルが乗員の足に深刻なダメージを与える点などが指摘された。ADACは「BS4は欧州メーカーの安全基準に到達しておらず、衝突安全性能の改善に真摯に取り組む必要がある」と警告を発する。

ところでブリリアンスといえば、07年、BS6のADACテストでも失格している。BS6の衝突安全テストは、星ゼロ評価。前面オフセット衝突試験では、ルーフやサイドシルが激しく折れ曲がり、乗員の生存空間がほとんど残っていない惨状だった。今回のBS4ではルーフやサイドシルの損傷は見られず、一定の進歩があったのは事実。しかし、欧州の基準からすれば、ブリリアンスの衝突安全性能が低いのは否定できない。

中国車は05年にも、ADACの衝突テストで史上最低評価という不名誉な称号を与えられている。その車はオランダで発売された陸風汽車のSUV、『ランドウインド』(陸風)。64km/hの前面オフセット衝突では、運転席が完全に押しつぶされた。この結果を受けて、ADACは同車の欧州での販売禁止を呼びかけたが、これに陸風汽車が猛反発。「中国の安全基準は満たしている」と主張していた。

ブリリアンスは08年、ドイツで約1000台を販売しており、09年は欧州全域に販売エリアを拡大。ワゴンの『BS4エステート』や小型ハッチバックの『BS2』など、ラインナップを強化し、年間6000台の販売を計画する。今回のBS4の衝突テストの結果を、欧州の顧客はどう受け止めるだろうか。

《森脇稔》

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