「Microsoft Car Navigation Day 2008」の午後の部では、Windows Embedded CE によるPND開発の現状などに関するセッションを行った。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンの神長慎氏は、PNDおよびカーナビ向けに適した同社のCPUの紹介を行った。同社は、2004年にモトローラ社の半導体部門が分離して設立された半導体メーカーで、自動車用半導体や無線通信分野に強みを持っている。
◆市場の伸びと製品ラインナップ
神長氏は、欧米、特に欧州市場におけるPNDの急成長を指摘し、日本では自動車メーカー純正に代表されるインダッシュ型(据え置き型)カーナビが多いものの、PNDも市場が広がってきているとの認識を示した。
今後は、PNDと高機能カーナビに2極化して普及が進んでいくと予測する。そのうちPNDは、安価、小型なことから軽自動車やバイクのほか、自転車(サイクリスト向け)、レジャー分野への普及が期待でき、ナビゲーションシステムの裾野を広げる役割を果たすとの期待を述べた。
◆STMPシリーズとi.MXシリーズ
同社は、Windows Embedded NavReadyが対象としているARMアーキテクチャのCPUを多数取り揃えている。
同社CPUのうち、PND向けを意識しているのが、SMTPシリーズである。オーディオをはじめとして多彩な機能を取り込んでおり、実装コストや周辺部品を削減できることから、コスト削減に大きく寄与できるとのアピールがあった。
中級機〜高級機向けには、i.MXシリーズのCPUを推奨している。新しいバージョンでは、マルチメディアへの対応を重視しているとのことである。
◆開発サポート体制
PNDの開発は、従来はODM(Original Design Manufacturer)によるものが多かったとのことである。しかし、製品の差別化や技術の社内蓄積を考慮し、ODM任せの製品化は減ってきているのが最近の傾向という。
同社は、自社による製品化、あるいはODM+自社での製品化など、様々な設計、開発、製造のパターンに対応したサポート体制を用意しているとのことであった。