仏PSAプジョー−シトロエンは、同社初のSUVであるプジョー『4007』とシトロエン『Cクロッサー』を、今月から9月にかけて順次欧州圏内で販売開始する。
4007とCクロッサーは三菱『アウトランダー』のOEM版で、2005年7月に三菱とPSAによって調印された契約による。三菱側は再生計画の一環として工場の稼働率向上が図れ、PSAは未開拓だったSUV市場への参入が図れるという、双方の思惑が一致したものだ。車両の生産は三菱が担当し、岡山の水島港から船積みされる。
いっぽう、現行では唯一のエンジンラインナップである2.2リットル・コモンレール直噴ディーゼルユニットは、PSA製が搭載される。なおこのエンジンは、欧州向けアウトランダーにも年内に搭載される予定だ。
ボディおよび室内のデザインは基本的にアウトランダーのものが踏襲されており、プジョー/シトロエン側によるモディファイは、前面および細部に留まっている。
三菱からの年間供給台数は3万台で、プジョー/シトロエン両ブランドで半数ずつを分け合う。
フランス国内価格は、Cクロッサーの標準仕様が3万4250ユーロ(約575万円)、エクスクルシーフと名付けられた高級仕様が3万7550ユーロ(約630万円)。
プジョー/シトロエン両ブランド初のSUVが、ドイツ車優勢の欧州SUV市場で、どこまで健闘するか注目される。ちなみにPSAは、両車が日本の三菱製であることを報道向け資料には明記しているものの、一般向け告知には特に謳っていない。『パジェロ』の成功によって三菱車の評価も悪くない欧州で、敢えて看板を借りない戦略がどう出るか、こちらも興味あるところだ。