先代のトヨタ『エスティマ』はAピラーをボディ色とし、フードからの勢いをルーフに繋げ、モノフォルムを強調していた。新型エスティマ(16日発表)は、全てのピラーをブラックアウトし、ルーフが浮いているように見える。
これについて、トヨタ自動車デザイン本部第2トヨタデザイン部の白澤敏彦さんは「エスティマならではの『先進的なスタイル』を追求しました。具体的には、浮いているように見える『フローティングルーフ』、それから面質にこだわり、質感高く先進性をアピールしました」と説明する。
「実はフロントウィンドウ中央は、先代に比べ20mm前進し、その結果フードとの折れが少なくなり、よりモノフォルムになっています。ただフードからボディ両サイド、フロントウィンドウからサイドウィンドウへつながる平面をラウンドさせた造形により、今回はAピラーもブラックアウトし、プランビューで見たつながりを強調しました。良くある『箱』のミニバンではないのです」
「面質も徹底的に磨き、たとえばドアのS字断面のように『凹凸のリズム』で質感高く表現しています。その結果、ボディサイドのキャラクターラインも、シンプルでクリーンなものになっています」
全てのピラーをブラックアウトしつつ、実はプランビューでもより本当のモノフォルムに近づき、先進的なスタイルを表現したのが新型エスティマなのだ。