280馬力規制ついに撤廃…“行政指導”の裏事情を探る

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■ユーザー意識の変化も後押し

もちろん、この間に日本の自動車市場が劇的に変化したことも見逃せない要因だ。「いつかはクラウン」のキャッチコピーに代表されるような、メーカーが作り出したヒエラルキーは完全に崩壊し、今のユーザーはクルマが小さいか大きいかなどにこだわらず、自分の使い道にあったクルマを求めるようになった。

それを追いかけるかのように、メーカーが設定するエンジン出力特性も、いたずらにピークパワーを追わず、常用回転域のトルクや乗りやすさを重視したセッティングになっている。

安全や環境意識も高まり、グリーン税制適合車や燃費の良いクルマがもてはやされる時代。こうした市場実態から見ても、規制の意味が薄れてきたわけだ。

■解禁第1号はホンダ『レジェンド』

すでにカー雑誌などで知っている人も多いと思うが、記念すべき規制撤廃第1号は今秋に登場するホンダ『レジェンド』になりそうだ。とは言え、3.5リットルエンジンが生み出されるのは300馬力。あくまでも“自然体”での規制値突破となりそう。

実はトヨタ「第1号はハリアーハイブリッド」という説もある。実際、自工会内部で規制撤廃に熱心だったのはホンダとトヨタだったという。どちらが第1号になるのかは、フタを開けてみないとわからないが、そんな「どうでもいいこと」を騒いでいるのはカー雑誌だけかもしれない…。

このほかの有力候補としては、センチュリーや三菱『ランエボ』、スバル『インプレッサ』などがマイナーチェンジを機に“本来の馬力”を発揮するはずだ。

■バイクの規制撤廃も秒読み

今回、規制撤廃が決まったのはあくまでも乗用車(登録車)。軽自動車の64馬力規制は「当初から撤廃の議論はなかった」(関係者)という。もともと軽自動車は“国民の足”として優遇を受けているだけに、リッターカーをしのぐ馬力の軽自動車が出れば「優遇不要論」に火がつきかねない。

軽自動車は国内販売がメインのため、「ダブルスタンダード」が存在しない、という背景もあるようだ。もっともメーカー筋からは「もともと軽自動車は差異化が難しい。他社が馬力を上げてくれば対抗せざるを得ず、不毛な争いになってしまう」という心配も漏れる。

一方のオートバイは、規制撤廃に向けて準備が進んでいる。ライダーならわかると思うが、最新のリッターマシンは150−170psを誇る。馬力を下げた国内仕様など、誰も見向きもせず、結局は海外仕様が逆輸入という形で流通している。

逆輸入というが「通関証明だけ行き来している」、「新車を積んだ船は沖合で停泊し、また日本に戻ってくる」などという奇っ怪な話も。さらに逆輸入車の販売を手がける業者のなかには、メーカーのダミー会社に近い形態もあるとされ、こうした歪んだ市場を是正し、部品供給やアフターサービスを堂々とするためにも規制撤廃は不可欠という。

《編集部》

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