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「緊急車両、通過します」では足りない? 事故を起こした消防本部に賠償命令

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宇都宮地裁は27日、緊急走行中と消防車と乗用車が交差点内で出会い頭に衝突し、乗用車を運転していた男性が死亡した事故は、消防車側の安全確認義務に怠りがあったからだと判断し、消防車を管理する組合に対して約1100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

この事故は1992年3月9日の夜、栃木県高根沢町の県道交差点で、青信号で直進中の乗用車と、緊急走行中で赤信号のまま交差点内に進入した塩谷広域行政消防本部高根沢分署の消防車が出会い頭に衝突。乗用車の男性が全身を強く打つなどの重傷を負い、事故から5日目にそのケガが原因で死亡したというもの。

事故当時、消防車側の信号は赤だったため、この男性の遺族が「緊急出動の最中だったとはいえ、交差点内での安全確認義務は絶対である」として、現地の消防署を管理する塩谷広域行政組合を相手に、総額5500万円の損害賠償請求を行っていた。

裁判では、消防局側が「当時、消防車は赤色灯とサイレンを使用しており、交差点進入の際にも通過予告をしていた」と反論していたが、判決理由で宇都宮地裁の羽田弘裁判長は「緊急車両が交差点に赤信号で進入する際には、確実に安全確認を行う義務が生じる。この点、問題となった消防車の運転手はこの問題をあまりに軽視していた。注意義務の怠りがあったからこそ事故は生じたのであり、相手の男性は死亡している。道交法上の速度超過が相手に生じていたとしても、確認義務は赤信号側の緊急車両の方が重い」として、組合側に請求額の一部となる1100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
《石田真一》

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