開発初期のアンケートでは「デザインが嫌い」という声が殺到し、新型『プリメーラ』プロジェクトは存亡の危機を迎えたという。その危機を救ったのは、ほかならぬカルロス・ゴーンCOOの一声であった。
「ある時、ゴーンさんが新型を見にいらして、乗っていただいたんですね。でも、しばらく何も言わないんです。ドキドキしていたら、ひとこと『トレ・ビアン!!』と。ホッとしましたね。それに、最近はトヨタさんのデザインのおかげもあって(笑)、こうしたデザインでも予想以上に受け入れてもらえるようになりました」と、松尾佳宏CPSは語る。
「ゴーン体制になってから、ゴーンさんさんから、プロジェクト全体を大きく変更するような注文はなにもありませんでした。注文されたのは、『とにかく製品のクオリティを上げろ』ということでしたね。フォルクスワーゲン『パサート』などを例に出されて、内外装、走りの性能も含めて、質感を高めろ、と細かい注文を受けました」