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Microsoft Auto ―― Fiat:Blue&Me/Ford:Sync
 Microsoft AutoもWindows CEの派生商品である。こちらは主に欧米の自動車メーカーの求めに応じて開発が進められた製品だ。

 Microsoft Autoの特徴としては、マイクロソフト自身がリファレンスとなるハードウェア設計とソフトウェアの構成を用意していることがあげられる。つまり、ターゲットとなる組み込み機器のハードウェアとソフトウェアが決まっていることになる。自動車メーカーはこれを利用し自社製品での標準化を推進することで、端末の低価格化と将来のサービス提供の両方を考えているということだ。

 現在のMicrosoft Autoは、普段車外で使用している携帯電話や携帯型オーディオ・デバイス(たとえばiPod)といった機器を手軽に車載システムへ接続し、運転を妨げることなく使用することに主眼をおいている。

 たとえば、Microsoft Autoを採用しているFord Motor社が提供する専用統合型車載エンターテインメントシステムSyncは、ドライバーが、携帯電話や携帯デジタル音楽プレーヤーを、音声やハンドル上のボタン、カーオーディオから操作することを可能にしている。
 Microsoft Autoはほかに、Fiat社のBlue&Meにも採用されている。こちらは、マイクロソフトと自動車メーカー共同による「車内の情報操作環境の標準化」を行うためのソリューションと考えればよいだろうか。

Fiat社のBlue&Me。USBポートに機器を接続したり、ソフトウェアのアップロードも行える。
Windowsロゴにも注目だ
 このようにマイクロソフトでは、主として日本の自動車メーカー、カーナビメーカー向けにWindows Automotiveを、主として欧米の自動車メーカー向けにMicrosoft Autoを提供している。一方PNDには、Windows Embedded CEが採用されるケースが多い。

 以上のように、マイクロソフトでは、いわば3本立てで車載機器の開発をサポートする製品を揃えているというわけだ。

 本企画では今後、マイクロソフト担当者やパートナー各社への取材を通じ、同社の自動車業界における、欧州、米国、アジア市場での展開を、戦略・技術の双方から解き明かしていく。
(小林直行@RBB)
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