インターナビ鼎談 その先進性に迫る
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現在地はもとより、目的地の到着時刻時点の天気を表示してくれるインターナビウェザー
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目的地到着の際に、愛車にピッタリあった駐車場を案内してくれる、駐車場セレクト
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大阪府警協力による、車両盗難情報も期間限定のサービスとして提供('07.3月末まで)ユーザー心理をうまくカタチにした一例だ
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全国で4.4万km程度('07年3月現在・Honda調べ)の通常VICS情報量に対し、インターナビVICSで収集された交通情報提供区間は、約36万kmにもおよび、よりキメ細かい交通情報を提供している。上の写真はインターナビVICSの表示例。青、オレンジ、赤の点線で交通情報を表示してくれる
あくまでもドライバー目線を大切に
― インターナビの作り手側として目指すもの、目的とはどういうものですか?

今井― やはり目的地に快適に、早く着く。それがユーザーの要求であり、作り手側の目的でもあります。

神尾― 究極のカーナビを作りたいということですね。GPSナビゲーションを普及させて、さらに通信と連携することで運転支援していくというインターナビの取り組みは、クルマの”乗り物”としての進化を鑑みると、当然の取り組みといえます。

今井―  インターナビの場合、交通情報だけでなく、気象情報、駐車場。さらには大阪府警と一緒になって車両盗難の情報も提供しています。そういった情報を一元化すると、こう行ってここに止めると安全。といった案内ができるようになると思います。また、2年目には膨大なHDDの地図を無償でアップデートするサービスも行なっています。

清水― 情報内容の進化という点で見てみると、2002年にアコードでインターナビ・プレミアムクラブのサービス開始のあと、2003年にQQコールが開始されていますね。

今井― QQコールとは、24時間365日、専門のオペレーターが対応するロードサービスで、これはHondaのネットワークでHonda車をお守りしましょうという考えです。たとえば北海道までクルマで旅行した際に事故を起こしてしまい、現地のディーラーにいったん預けたあとに、その後の旅行の移動手段を保証して、クルマはご自分のディーラーまで無料で搬送するサービスを行なったりしています。

清水― QQコールを通じて、ディーラーのネットワーク化を行なっているのですね。

今井― そうです。

神尾― オデッセイでフローティングカー情報と、渋滞予測情報が初めて採用されましたね。このあたりからインターナビがさらにオリジナリティを持ってきたと認識しています。ユーザー情報を集めることによってコンテンツ価値を出す。まさにクルマ版のCGM(Consumer Generated Media)なわけで、Web2.0的なことを早くからやっていたという印象です。

今井― ただし、ユーザーが情報提供してくれるかという不安は実用化以前からありました。

神尾― それができたわけですが、これはHondaだからできたのか、それともクルマのドライバーには潜在的にそういった「情報提供」によるもの、Web2.0的な感覚が備わっていたのか気になるところです。

今井― 両方でしょうね。
清水― Hondaだから為し得たというのは、そう思いますよ。Hondaユーザーは連帯感が強いから。渋滞はイヤだし、環境に対しても配慮したい。純粋ですよね。

今井― ユーザーのブログとかを見る機会がありますが、「私もウィルコムの通信カードを使ってドンドン情報を上げます」という書き込みが見られるほどです。

清水― まさに、Hondaユーザーならではのギブ&テイクですね。

神尾― レジェンドを発売と同時にインターナビVICSが車線別情報の提供を開始しました。GPSの精度でこれを実現したのは、正直、驚きました。

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定額プランでインターナビユーザーの課金ストレスは解消。インターナビ専用ウィルコム通信カード
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従来のVICSでは高速道路上の車線別の渋滞情報が含まれないため、右の空いた車線を走行しようとしても渋滞している左側車線と同じ所要時間をカーナビに表示していたが、インターナビVICSではルート案内に車線別の情報を含むため、分岐路それぞれの道路状況にあった所要時間を表示してくれる
今井― どっちの車線が流れているかが大切だと思うんです。今は高速ですけど、今後は一般道も対応できればと思っています。右折渋滞とかいろいろとありますからね。

神尾― ちょっと話がそれますけど、インターナビが最初から変わらないのはクルマの価値を底上げするっていうビジネスモデルだと思うのですが。情報サービス単体でビジネスを考えるのではなく、自動車ビジネスの中にテレマティクスを組み込む。この考え方はホンダが最初にカタチにしましたね。

今井― その通りです。情報もクルマの性能の一部であるということを曲げない。それが進化につながると思っています。

清水― ユーザーの通信に対してお金を払うという意識をどうするか。その点でウィルコムの525円(税込)定額は画期的です。渋滞が減ればCO2も削減できる。本当は公共インフラで実現できればいいのではないでしょうか。
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