MINI CROSSOVER PHEV

vol.7 岩瀬新吾さん 由香里さんご夫妻

MINI CROSSOVER PHEV

MINI CROSSOVER PHEV

vol.7 岩瀬新吾さん 由香里さんご夫婦

PHEV 立山のお膝元、越中富山の酒蔵へ

富山県黒部市。
梅雨が明けるこの季節、気温は高いが、北陸の空はまだねずみ色の雲で覆われていた。
北に日本海、南に立山連峯がその雄大な姿で富山平野を見下ろす。豊富な水量で有名な黒部川は、その頂きから流れ出る清水で満たされている。

3000メートル級の北アルプスに降り積もる雪から解け出したその水は、地下へと少しずつ滴り落ち、長い年月をかけて、富山湾に面する、黒部市生地(いくじ)に湧き出る。
この生地地区には全部で20か所の湧水スポットがあり、湧出量や水質、味わいがそれぞれ異なる。適度なミネラルを含んだ「おいしい水」として親しまれ、飲料水はもちろん、生活水としても重宝されている。

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この水は「清水(しょうず)」と呼ばれ、ここ生地では環境省認定の日本名水百選に選ばれた「岩瀬家の清水」というものがある。

さて、前置きが長くなったが、今回ご出演いただくのは、その「岩瀬家の清水」が敷地内に満々と湧き出る、明治20年創業の酒蔵“皇国晴酒造”(みくにばれしゅぞう)を営む岩瀬さんご夫妻。

MINIに乗るのは今回が初めてだというおふたりだが、一体どんなお話が聞けるのだろうか。

このギャップはたまらない

ご主人の新吾さんは、MINI CROSSOVER PHEVの第一印象を「近くで見ると意外と迫力がある」と語る。
もっと小さいクルマを想像していたようで、そのギャップに驚かれた様子。
「とくに前のほうから見たら分厚くて、むしろ重厚なクルマがドーンと来たように見えました。でもデザインはMINIのイメージ通り、やっぱりオシャレには変わりないですね。このギャップはたまらない。」

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これまで日本車を乗り継いできた岩瀬さん。MINIのデザインに興味津々と行った感じだ。
「インテリアの随所が丸をモチーフにしたデザイン、これは目を引きますね。」

一方、奥様の由香里さんはどんな印象を持っただろうか。
「大きいけどやっぱりMINIですね、女性が乗っても絵になる雰囲気はさすがです。」

まさしくMINIらしいデザインと実用性を意識したのが、このMINI CROSSOVER PHEV。
車内の広さも決して「ミニ」ではないことはみなさんもご存知の通り。

「身長180cmの僕が後ろに乗っても意外とゆとりあるんですね」とご主人。

さっそく近所にある日本海沿いの海岸通りを走ることに。ステアリングを握るのは、奥様の由香里さんから。

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「静かでなめらか。スーッと加速して、軽快な走りってこういうことなんですね」

富山の人は皆ほぼ毎日、「日常の足」としてクルマを使っている。当然奥様の由香里さんも買い買い物やお子様の送り迎えには欠かせないと話す。

ご主人の信吾さんの普段のクルマの使い方は、仕事、趣味、会合がほとんど。
今でこそ北陸エリアだけならクルマで移動という感じだが、昔は九州まで自走で行ったこともあるというほど、実は根っからの車好き。
そんなご主人の新吾さんにステアリングを握ってもらい峠越えを試みた。

EVモードで山越えに挑戦 アクティブに走った結果・・・

まずは岩瀬さんの酒蔵近くにある普通充電スポットへ。そこから宇奈月温泉のある黒部渓谷を目指す。満充電にすると、EVのみでの走行可能な公表値は42.4km。果たして富山の険しい山道をどこまで走ることができるのか検証も交えてスタートした。

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「ハイブリッドカーって実はあまり乗ったことがないのですが、思ったよりもずっと力強い加速ですね。とてもパワフルで、踏んだ瞬間に最初から最大トルクというのですか?ビックリしました。山道の上り勾配でも、アクセル踏み込むとジェットコースターのようにモーターで力強く駆け上がリますね。いや、新鮮です。」

そう、山越えのその走りこそ、MINI CROSSOVER PHEVが持つ強烈なパフォーマンスの一つでもあるのだ。

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アップダウンの続く道でも、上りは力強く、下りはブレーキ回生によりバッテリーが充電されて、走行できる距離がどんどん伸びていくのが、ハイブリッドカーならではである。
峠を登り始め40分ほど経っただろうか、山の中腹あたりでの充電残量は、50%ほどになった。アクセル操作はかなりアクティブだったので、この残量はなかなか優秀だろう。

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ここでMINIを少し充電することに。
そしてその間に、お二人は休憩を兼ねて足湯を楽しむ。

夏の山は緑が深い。大量のマイナスイオンが我々をも充電してくれる。
午後にはお得意先への配達があるというご主人。何をいくつ持っていくかを奥様と再確認。している。
足湯を浸かりながらの会話ではない気がするが、これがご夫婦の日常の会話なのだろう。

では、配達もあるようなので長居せずに戻りましょうか。

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MINI CROSSOVER PHEV 実は下りも得意です

お昼近くになるにつれ、交通量も増えてきた。
当初、外車は緊張すると話していたご主人だが、MINIの運転のしやすさに、忘れかけていたクルマの楽しさまでもが蘇ってきたと話す。確かに、仕事で乗るのと、プライベートで乗るのとでは、車に対する気持ちの入り方も違うのだろう。

「坂を下るときは、ただ下りてくるだけでバッテリー残量がどんどん伸びていくのも驚きました。充電ステーションのところでは時間がなかったのであまり充電できませんでしたが、それでも走っているとあっという間に60%、70%と回復しましたね。もうひとつ気づいたのが、下り坂でもスピードが上がって怖い思いをすることがないこと。普通は気を抜くと落ちていくところ、それがないので乗りやすいですね。これも回生の影響なんですね」

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そう、まさしくハイブリッドなればこそ。
回生ブレーキで充電しながら走るので、エンジンでいうとエンジンブレーキがかかった状態になるからだ。急な下り坂でも安心して走れるのもそれもメリットのひとつだ。むろんガソリンに比べて同じ距離を走るときにかかるお金がぜんぜん違う。
しかも大きなボディで重いとは思えないほど、フットワークが軽やか。プラグインハイブリッドである経済性と、刺激的な走りが共存しているわけだ。

また、日本有数の豪雪地帯である富山では、4WDが重宝される。冬場のすべりやすい路面では、2WDよりも4WDのほうが圧倒的に走りやすいのはいうまでもない。
「ALL4」を謳うこのクルマは、前輪をエンジンで、後輪をモーターで、それぞれ状況に応じて適宜駆動させる電気式4WDを搭載しているのもポイントだ。

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ご主人の新吾さんも、雪道では苦労しているようだ。
「やはり4WDのほうが雪が降ったときに安心して走れます。僕も何度となくヒヤリとしたことがあります。雪国の人は4WDの大事さをよくわかっています。黒部の海沿いあたりはあまり雪は降りませんが、少し山の方に行くと1mぐらい平気で積もります。ちゃんと融雪されているところもあるけど、やはり融雪の行き届いていないところもあって、そこを走るときは気を遣います」

非降雪地の出身である奥様の由香里さんも、富山の雪の多さを見て最初は驚かれたそうだ。
「たしかに、雪の日はなるべく出かけたくないです(笑))

MINIと酒造りの共通点

最後に、酒造りとMINIの共通性とは何か?ご主人に伺った。
「生き残っていくには、伝統を守りつつも、新しいものに挑戦していくことが大事。伝統を守るためには、いろいろ変えていかなければなりません。MINIも、新しいことにチャレンジしつつ、MINIらしさを残している。その点で共通しているのではないかなと思います。」

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歴史を重んじる者同士、共通のシンパシーというものは存在するようだ。

「お酒の世界では、日本酒といわれるものの中にも、低アルコール、瓶内発酵させたものなど、実はいろいろあります。私どもも『幻の瀧』という味を守りながら、いかに新しいお客様の心を掴んでいくか。とくに地方の日本酒は、個性的であるべきだと思っています。 また飲みたいなと思わせる何かがないといけません。」

なるほどきっとMINIの理念もそうなのだろう。思えばクルマの世界の中で、MINIがこれほど日本で人気を博しているのも、乗りたい!と思わせる何かがあるからに違いない。

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誰が見てもMINIとわかるデザインとその走りは、SUVになっても変わることはない。 さらにプラグインハイブリッドまでも搭載したMINI CROSSOVER PHEVは、「実用的」なユーティリティ、「経済的」で「先進的」な技術、そしてMINIらしい「刺激的」なドライブフィールという、いくつもの「的」を併せ持ったクルマだ。

今回体感していただいた岩瀬さんご夫妻は、MINIの持つその多面性こそ、まさしくこのクルマならではの持ち味であるということを肌で実感してくれたようだった。

INTERVIEWER:KOICHIRO OKAMOTO  PHOTO:HIDEYUKI NAKANO

今回のナビゲーター

岡本 幸一郎モータージャーナリスト

1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、一度はお堅い職業に就くも、生来のクルマ好きが高じて、1年もたたないうちに自動車メディアの世界へ転身。月刊の自動車情報映像媒体の編集部員として3年間の経験を積む。さらに自動車専門誌の記者を経て、1996年よりフリーランスとして活動を開始。本命のスポーツカーから、軽自動車やミニバン、高級輸入車まで幅広い守備範囲を自負する。市販車だけでなく、カスタマイズ事情やモータースポーツ関連にも通じる。現在はWEB媒体を中心に執筆中。「プロのクルマ好き」として、常に読み手にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。AJAJ会員

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