伊東 当社の基本理念は「人間尊重」と「3つの喜び(買う、売る、創る喜び)」ですが、これは従業員の皆さん、耳にタコができるほど聞いています。そこで私なりに解釈すると、「人間味あふれる」、「人間くさい」会社だと。本田宗一郎は過剰なまでに気配り、眼配りをする人だったと聞いています。
それが商品づくりでは、お客様に徹底的に喜んでいただく、驚いていただくということにつながっていったわけです。それを辿って行くと、人間くさい会社、しかも徹底的に庶民の視点であるということです。
ですから、ビジネスでは庶民のみなさんが何を悩み、何を欲しているかを肌で直接感じ取り、それをいち早く(商品として)実現する活動をしようと訴えています。
もう少しビジネス寄りで考えますと、4輪ではもう迷うことなく環境問題に対応すること。モビリティの楽しさを損なうことなく、燃費とエミッションにどれだけアプローチしていくかです。
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とくに燃費をどれだけ出せるかに尽きる。手段でいえばハイブリッド(HV)、あと20年から30年は全然迷うことなくHVだと考えています。シンプルなワンモーター方式はわれわれの強みであり、小型車用システムでは先鞭を付けた。2010年中には『フィット』にもこのシステムを搭載していきます。
そうして量を拡大しながら更なる燃費の進化とコストダウンを図り、小型車領域ではスタンダードにしたいと考えています。さらに中大型車向けのHVシステムも開発を加速していきます。
これまでも時代が大きく変化する時は、いち早く対応してホンダを認知していただき、2輪、4輪、汎用の各事業領域でホンダファンを増やしてきたという歴史があります。大変ではあるがチャンスととらえ、「さぁ、やろう」と社内で話しているところです。
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