top interview by Teruo Ikehara
海外市場に大きなチャンス
――今後の成長は海外中心ということで、ここ1年でも中国合弁生産の決定やロシアでの販売会社設立など急展開していますね。

白井 海外のうちロシアなど資源国では、当社の既存の商品を速く展開していくことを心掛けています。どの国もインフラ整備を進めていて、当社のトラックはすごく重宝されている。いわば産業機械なので壊れると仕事になりません。しかも中近東やロシアなどでは古いトラックが多いので、大きな市場です。

新興諸国も引き合いが強い。今春、ベトナムに小型トラックを投入したのですが、初年度800台と見ていたのに、1週間で600台を超える受注をいただきました。

海外の開拓ではいすゞさんがすでに120か国くらいで販売しているのに対し、当社はまだ50か国でしかない。これを早期に100にしたい。凄まじい勢いでやっていきたいと考えています。

――今後5年で世界販売を倍くらい伸ばす計画ですが、国内工場からの供給力は大丈夫ですか。

白井 現在、日野工場(本社)と新田工場(群馬県太田市)の能力増に取り組んでいます。「寄せ止め」(=分散している生産機種をラインごとに集約する手法)などによる効率化を進めながら、能力増を図ります。今年度から2年間で200億円くらいの投資を予定しています。

――国内の販売会社は、すでにほとんど回られたそうですが、課題はありますか。

白井 トラックは長く使っていただくものですから、私はお客さまには「商品と真心」を買っていただくビジネスだと思っています。すべての販社が磐石の信頼を得ているかというと、残念ながら大きな差がある。

販社同士がお互いにいいところを参考にしながら学ぶ必要があります。信頼される人づくりが重要です。


インタビュアー:池原照雄(経済ジャーナリスト)
写真:竹内征二
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