「パ・ケ・ナビメール」はVMCの接着剤
---- VMCはコンセプトですから、当然ながらそこに様々な「サービス」が入ってくるわけですね。

中村 第1弾として我々は、「パ・ケ・ナビメール」というサービスを提供しました。これはPOIX(Point of Interest eXchange Language)のフォーマットを活用し、PCとケータイ、カーナビで位置情報を共有するというものです。

---- 位置情報をメールで送る、というとこれまでにも一部実現しているサービスですが、VMCならではの部分はあるのでしょうか。

中村 ポイントはふたつあります。ひとつはPOIXを使っていること。POIX機能はすでに50万台以上のカーナビの実装されており、日産カーウイングス、ホンダ・インターナビプレミアムクラブ、パイオニアのカーナビで利用できます。すでに普及している仕様を使いますから、新たに「対応カーナビ」を作る必要がありません。

もうひとつが、携帯電話側で情報を取得するフォーマットとして「トルカ」を使っていることです。トルカはおサイフケータイの基本機能としてDOCOMO 902iシリーズ以降、実装しており、5月末時点の累計販売台数が約435万台。トルカに対応したリアル店舗やサイトもどんどん増えています。
(http://www.nttdocomo.co.jp/service/osaifu/toruca/index.html#p03)

Web 2.0の時代ですから、仕様がオープンであること、コンテンツと連携がとりやすいことを第一に考えています。トルカやPOIXの仕様はオープンですので、さまざまなコンテンツが「パ・ケ・ナビメール」を通じて、ケータイ、クルマ、パソコンと情報を共有しあうことができます。

その例として、ポータルサイトのgooと店舗情報や地域情報をケータイやカーナビと共有することだできるサービスを現在、実験しています。
(http://map.labs.goo.ne.jp/)

---- 仕様のオープン化、それによる連携のしやすさでベネフィットを生み出すというのは、まさに「Web 2.0」的な考え方です。しかしトルカは、ドコモの独自仕様ですよね?

中村 トルカの仕様自体は公開されています。今のところ採用しているキャリアはドコモだけですが、他のキャリアのおサイフケータイでも取り入れていただける。囲い込みをするようなものではありません。

---- おサイフケータイ分野はドコモがリードしているので、最新機能のトルカも現在は"ドコモだけ"というわけですね。おサイフケータイも、最初はドコモだけで始めて、すぐにauやボーダフォンが追随しました。トルカもおサイフケータイとともに広がってく仕様だ、と。

中村 パ・ケ・ナビメールではgooのポータルサイト上で店舗情報を検索し、そのデータをトルカとPOIXの情報に自動変換して、ケータイとカーナビにメールとして送ることができます。ユーザーは送信フォーマットを意識する必要がないのもポイントです。

---- POIXは、これまでカーナビに機能はありましたが活用が進んでこなかった。またトルカも、おサイフケータイを使ったリアル側での情報取得は、店舗インフラの整備中です。パ・ケ・ナビメールの対応が広がれば両機能が活用されるシーンも増えますね。

《インタビュアー:神尾寿(通信・ITSジャーナリスト)》
《写真:石田真一》
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