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ふたつの車載Windowsが狙う市場
---- Windows Automotiveの採用は増えていますが、ビジネス面での今後の目標を教えてください。

平野) 確かにいろいろなメーカーに採用されているのですが、我々が持っている大きな課題として、ミッドレンジからローエンドのモデルでの採用例が少ないというものがあります。ここを改善するための、機能進化やビジネス的な取り組みを重要視しています。

---- なぜ採用されないのですか?

平野) ひとつはWindows Automotiveは「高性能だけど大きい」というイメージがありますね。ですから、高性能ナビには向いていても、低価格帯のモデルには向かないと受け取られているようです。

---- 大きいというのは、ソフトウェアサイズや要求するハードウェアスペックが大きいという事でしょうか。これは「イメージ」とおっしゃいましたけれど、実際は「そうでもない。単なるイメージにすぎない」という事なのでしょうか。

平野) 過去においては「Windows Automotiveは1DINナビなど低価格向けではない」はYESです。しかし、状況が変化してきています。具体的には、最近のオーディオはソリッドオーディオプレーヤー対応などスペック要求や機能要求が高くなってきています。また、携帯電話のハンズフリーフォンニーズの拡大など、低価格帯の1DINユニットも高性能化せざるを得なくなってきています。Windows Automotiveを乗せるハードウェア的な余裕やメリットも生まれてきています。

---- では、ミッドレンジはいかがでしょうか。一頃の勢いはなくなりましたが、10万円台のカーナビは日本市場ではボリュームゾーンです。

平野) ここはローエンドよりも実は難しいと考えています。なぜなら、日本のミッドレンジナビはゼロから開発されてないのですね。2〜3年前のハイエンドカーナビを焼き直して投入する例が多い。すると、以前I-TRONなどリアルタイムOSを使っていたものが、Windows Automotiveに入れ替わるというのが難しいのです。ミッドレンジに関しては、今ハイエンドモデルで投入したものが2〜3年後にミッドレンジにも降りてくるという視点で捉えています。

---- Windows Automotiveの次のターゲットはハイエンド以外への「裾野の拡大」にある。そこで気になるのが、Windows Automotive 5.0と同時に発表されたWindows Mobile for Automotiveです。こちらは主に欧米のシンプルなカーナビ向けのOSとして発表されました。

平野) このふたつの自動車用OSに関してはマイクロソフト内の意見が完全に統一されているわけではないのが実情です。両者の大きな違いとしては「パッケージとして完成しているかどうか」という点にあります。Windows Mobile for AutomotiveはPocket PCに近いパッケージソフトウェアですから、基本的なカーナビ機能は用意されています。しかし、Windows Automotiveはメーカーが独自開発する部分があり、これはエントリーカーナビでも同様です。

---- Windows Mobile for Automotiveはどちらかというと、ケータイナビやPDAナビに近いものですね。自動車メーカーが用意するローエンドナビには向かないかもしれません。しかし、ローエンド/ミッドレンジの市場としては近親競合する可能性があるのではないですか?

平野) それは起こるでしょう。しかし、Windows Automotiveだけで見ても、採用メーカーが異なれば市場競合しているわけですから、それが大きな問題になるとは考えていません。地域市場における棲み分けもされるのではないかと感じています。

---- 当面は2つのWindowsが、カーナビのローエンド市場を狙う事になりそうですね。
携帯電話と同じく、カーナビの汎用OS化はハイエンドから始まっていますが、コスト削減メリットという視点では、ローエンドやミッドレンジへの展開も重要です。うまくいけば、カーナビ市場全体の機能の底上げやテレマティクス普及にも期待できそうです。

《インタビュアー:神尾寿(通信・ITSジャーナリスト)》
《写真:石田真一》

平野元幹(ひらの・もとき)

1979年 日産自動車(株)入社、電子研究所配属。FMダイバーシティ、車載アンテナ評価システム、キーレスエントリシステム開発などに従事。1985年 米国スタンフォード大学に客員研究員として社命留学し、87年帰国。米国留学中に得たアイデアを基に統合化車載情報(カーマルチメディア)システムを立案。1991年 (株)ザナヴィ・インフォマティクス出向。統合化車載情報システムのアーキテクチャ設計、バードビュー市販ナビの開発、情報提供センター(コンパスリンク)の企画、基本設計、北米でのナビ評価テストなどに従事また、ナビ研幹事メンバー、モバイル標準化検討委員会(MOSTEC)議長、ISO/TC204/WG11ナビ&経路誘導分科会 委員などを歴任。1999年 マイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッド入社。日本で車載用プラットフォームWindows Automotiveの開発チームをスタートさせ、現在に至る
神尾寿(かみお・ひさし)

通信・ITSジャーナリスト。IT専門誌契約ライターを経て、大手携帯電話会社の業務委託でデータ通信ビジネスのコンサルティングを行う。'99年にジャーナリストとして独立。'04年に独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の技術委員を務める。現在はIRIコマース&テクノロジー社 客員研究員。移動体通信とITSを中核に通信が関わる分野全般を取材対象にし、企業の取材および定期的なユーザーヒアリングを実施。技術・ビジネスのシナジー効果、ユーザーニーズとデジタル文化の分析を行う。著書は「自動車ITS革命」、共著は「逆転戦略 ウィルコム」、「別冊ダイヤモンド 知って得する法律ガイド」(す べてダイヤモンド社)など。連載は、「アンプラグドWeek」(レスポンス)、「時事日想」(ITMediaビジネスモバイル)。他にも多数のビジネス誌、専門誌、一般誌に寄稿している。
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