――好業績にも厳しい認識ですが、一方で未開拓の市場は広がっているということですね。
箕浦 そうしたグローバル展開するうえでは、何といってもお金が要ります。(海外に)出かけて工場を建てなければならないし、世界で勝つためにはいい商品を開発しなければなりません。コスト、品質についてもこれまで以上にやらねばならないし、そのためにも開発力が必要です。だから、将来に向けてまだまだお金は足りない。
今後、ひとつの自動車企業としてかなり自由にやっていくには、経常利益で1000億円は欲しいと思っています。スズキさんが前期は1000億円に達した。だから、好きなようにやっていますよね(笑)。当社も売り上げで1兆円上げたけど、次は2兆円目指して利益は1000億円を確保すれば、少し色々なことが自由にできるようになるのかなと。そのためにもしっかりとした原価低減を進めなければなりません。
――「2兆円・1000億円」と、具体的な長期ビジョンですね。
箕浦 みんな夢に向かってやろうと、若い人を含めコンセンサスはできていますよ。まだ、力不足だけど頑張ろうと、燃えています。
――2兆円の達成目標時期などを社内外に展開しないのですか。
箕浦 社内では2兆円という数字は言っています。当社の場合、海外展開についてはトヨタグループ全体のなかのマスタープランに織り込んでいくという形になります。それと国内だけの軽自動車事業とを一緒にして計画を描いている。その内容は、全てはっきりと従業員には伝えてあります。2兆円については、まだ、夢の段階ですが。
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