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――バイオテクノロジーなど新規事業はどう拡大させますか。
梶川 バイオでは今年5月に静岡県袋井市に建設中の研究所が完成します。藻の研究を進めているのですが、まだ卵のレベル。ただし化粧品や医療向けなど可能性は広く、10年後に300億円の事業を目指しています。既存技術では国境警備に使える無人ATVや、農薬散布などの無人ヘリ、さらに海洋探査など無人移動機のリモート技術を「陸・空・海」で推進していきます。
――ヤマハといえばトヨタ『2000GT』以来の4輪エンジン技術にも定評があります。今後事業としてどう取り組みますか。
梶川 もともとトヨタさん向けに始まったのですが、ボルボを含むフォード・モーターグループにも取引いただいている。ニッチの高性能エンジンのところで特徴が出せていると思います。当社は少人数でひとつのエンジン開発に取り組むので、小回りが効いて開発のスピードも速い。そうした機動性も評価いただいていると思います。その点からも、引き続き2社への供給がいいのかなと勝手に考えています。
供給先を増やすよりも、競争力ある商品で事業の拡大を進めていくということです。
――昨年はロードレースの最高峰、モトGPでバレンティーノ・ロッシ選手がチャンピオンを獲得。ヤマハにとっては12年ぶりのタイトルでした。
梶川 当社はサッカーやラグビーにも力を入れており、2輪レースもスポーツ全般というくくりで捕らえています。スポーツのもつ清々しさや感動が、当社の商品イメージや社風づくりに貢献するなら、すべてのスポーツをやりたいくらいです。
レースの価値は、勝ってイメージを高めることにあるのですが、それ以上に関係者や社員、販売店、お客様といった方々と感動を共有できることが素晴らしい。過去、お金がなくて困った時もレースは続けてきました。当社にとってレースは「must」なのです。
今年はメーカーチャンピオンも目指したいですね。あまり言うと(ホンダに)やられるかもしれない(笑)。ヤマハはロッシを引き抜いたと世間で言われますが、ロッシが「ヤマハに乗りたい」と言ってきたのが本当のところです。ともかく、2輪のモータースポーツを盛り上げたいですね。先日、ホンダの福井さん(威夫社長)とも、そんな話で一致しました。
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1969年慶大経済学部卒、同年入社。85年ヤマハモーター欧州取締役、93年から同社社長。97年にヤマハ発動機取締役となりマリン、舟艇事業本部長を歴任。01年から常務として2輪、経営企画などを担当し03年専務。05年1月現職。前任の長谷川至会長は「海外経験の豊富さと私利私欲のない人柄」を指名の理由に挙げた。本人は、肩を張ると人間ろくなことがないと、「自然体」を強調する。率直な物言いも魅力だ。千葉県出身、60歳。
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1977年北九州市立大卒、日刊自動車新聞、産経新聞などで自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリー。著書に「トヨタVS.ホンダ」(日刊工業新聞社)。山口県出身。
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ヤマハ発動機 http://www.yamaha-motor.co.jp/ |
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