高木 これはランキング上位に来るだろうと思われるニュースをピックアップしていきましょう。まずは業界ネタから。
三浦 最近の出来事から、トヨタの「試験問題漏洩」は異議なしで入るでしょう。
高木 三菱自動車の園部会長が亡くなったとか、マツダの社長が交代したとかありますけど、これらが社会的に影響した、あるいは何かの始まりになったと判断しますか?
福田 「園部会長の急死」というのは、これでプロパー重役が三菱からいなくなった影響も考えられるだろう。業績回復が思うように進展しない事態を象徴するような、園部会長の急逝だった。
高木 私が注目しているのは「トヨタの販売店網の再編」ですね。実際に動くのは2004年以降ですが。

トヨタは「レクサス」ブースを東京モーターショーに飾った
三浦 「トヨタ世界2位」は、2003年の時点では実現するという“見通し”。これも2004年になったらニュースになること間違いなし。
金澤 「新型プリウス登場」はどうですか。アメリカで記事を作った『ニューズウィーク』でも表紙を飾って特集しているぐらいですから。日本は2代目ですけど、向こうではこれが本格展開です。
三浦 「東京モーターショー」の入場者が増えた。
福田 142万人が入場したことは評価しよう。
三浦 小中学生入場無料の効果が出ている。将来の自動車ユーザーに刷り込みをしたという点でも将来的に効果が出てくるだろう。
福田 シンポジウムを毎日連発したのも効果が上がっているはずだよ。体験型イベントも長蛇の列だった。1分間だけ燃料電池車に乗っても意味があるのかという疑問も確かにあるけどね。
三浦 まあ、モーターショーはとりあえず入れておきましょう。これが落ちるほど今年はニュースが豊富だったとは思えない(苦笑)。

東京モーターショー
福田 今年でいうなら「トラックの特需」というのは大きかったと思う。いすゞをはじめ会社が蘇ったところは1社に限らないわけだから。
金澤 「ホンダ国内販売失速」は対照的で入れたほうがいいんじゃないですか?
高木 「失速」より、「ホンダ福井社長就任」のほうがいいでしょう。
福田 うーん、順風満帆での交代というよりは、失速の中で押し付けられたようなものだし。吉野さんがもう1年やるかと思われたのに、交代したのは急でしたからね。そういった意味では失速したからこそ交代になったのかもしれない。ひとつの動きとして見ましょう。
佐藤 「中国ビジネス元年」。中国がマーケットとして世界的に認知されだした年じゃないですか。
福田 中国を入れるなら「SARS騒動」も入れないとね。こと中国に関してはSARSの影響というのは、とくに大きかった。とんだトバッチリというか、予定を狂わしたという意味でもね。これによってホンダの現地工場の生産開始が遅れたり、技術者の渡航を見合わせたし。
高木 「中国での著作権問題」はどうだろう、あまりニュースにならないかな。
三浦 でも乗り越えるよ、SARSだって乗り越えた中国市場のうねりはそれほど大きい。
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