10年ぶりにフルモデルチェンジとなったルノー『カングー』。今回のフルモデルチェンジの最大の特徴はサイズアップにあるだろう。
「今回のサイズアップの最大の理由はお客様のニーズです」と話すのはマーケティング部商品計画グループのフレデリック・ブレンさん。先代カングーユーザーの要望を聞くと、4人〜5人で座ろうと思ったらゆとりが少ないので、より広い室内空間を求めていたという。
では、その広さとはどういうものだろうか。「左右方向と上下方向です。つまりボリューム感。例えばフランスの家だとそんなに大きくない家でも、天井が高いことでボリューム感が生まれる=解放感が生まれるように作っているんです」
「新型カングーは1340mmの高さ(床から天井まで)があります。ちょっとしたミニバン程度の高さがあるのです」という。
また、「後席も3人座れる。これは大人3人ではなく、左右にチャイルドシートをセットして大人は真ん中に座る。この状態でちゃんと座れるようにしています」。
もうひとつ、サイズアップには理由がある。「世界のトレンドを見るとBセグはCセグ、CセグはDセグと車のサイズが大きくなってきていて、当然室内空間も広くなってきています。これからまた10年間売り続けなければならないことと、ユーザーニーズを考えるとサイズアップだろういうことなのです」。
そこで、新型を開発するにあたってふさわしいプラットフォームは何か。ルノーのCセグメントで、空間やコストを考えると『セニック』の5人乗りのものが一番ふさわしいという結論に達したのである。その結果、さらに広い室内空間と同時に上質でしなやかな乗り心地も手に入れることができたのだ。