【レクサス HS250h 発表】燃費アタック 18.7km/リットル

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【レクサス HS250h 発表】燃費アタック 18.7km/リットル
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トヨタが7月に発表した、レクサスブランド初のハイブリッド専用モデル『HS250h』。車体は欧州戦略車トヨタ『アヴェンシス』のシャーシをベースとして各部をレクサス基準に強化したもの。パワートレインには『カムリハイブリッド』、『エスティマハイブリッド』などに使われる2.4リットル直4アトキンソンサイクルを用い、統合出力190馬力を発生する2モーター式ハイブリッドだ。

このレクサスHS250hの試乗会が富士スピードウェイで行われた。実は昨年、ちょうど同じ場所で高級セダンの『クラウンハイブリッド』の燃費アタックを行っていた。そこで同じコースをトレースしてみて、燃費を比較してみることにした。

コースは以下の通り。レクサスカレッジをスタートし、東門を抜けて山中湖へ向かう一般道に。小山カントリークラブの脇の裏道から国道138号線の急勾配が続くワインディングロードへ。古いイタリア車が展示されていることで知られるギャラリーアバルト美術館、山中湖畔を経由し、今度は山中湖インターチェンジから東富士五湖道路へ。須坂インターで同有料道路を下り、往路と同じ小山カントリークラブ裏を通って富士スピードウェイへ帰着。総距離45km。

コースは全般的に田舎道で、信号はごく少ないが、行程の多くがワインディングロード。また往路は全般的に登り勾配、復路は下り勾配でアップダウンのロスも小さくないなど、都市部よりは好条件だが平地中心の地方道よりは厳しいといった条件である。ちなみに3.5リットルV6、345馬力という強力スペックのクラウンハイブリッドはこのコースをリッター13.4kmで走った。

いかに燃費アタックといえども、レクサスHS250hはトヨタのプレミアムブランドの端くれ。エアコンを切ってのアタックは少々貧しいということで、エアコンオンの快適冷房状態でスタート。しばらくは緩い登り勾配が続く。

ドライブフィールは終始、マイルドの一言。燃費アタック中はアクセルを深く踏み込まないよう心がけたが、それで十分すぎるほどの低速トルクが得られる。半面、別の個体で普通に走ったときにスロットル開度を上げてみたが、フルパワー時の力感はドラマチックと言うほどのものではない。あくまで終始ジェントルというイメージだ。

ハンドリングも徹底的にスタビリティ&イージードライブ重視。日本でのレクサスブランドでは初のFWD(前輪駆動)だが、かなりタイトなコーナリングでブレーキをケチってもぐいぐい曲がっていくなど、ドライバーの腕前に依存しないレクサスらしいセッティングになっている。

国道138号線に入るあたりまでは、リッター11km台後半で推移。その後、籠坂峠に向かう勾配のきついワインディングロードではさすがにエンジンがかかりっぱなしという状態が続き、平均燃費はリッター9km前後まで落ちた。ただし、登り勾配でも過度にバッテリーのエネルギーを消費することはなく、7kmほどの連続勾配でもバッテリーがエンプティに近づくことはなかった。ハイブリッドシステムのエネルギーマネジメントのロジックは、着実に第2世代から進化を遂げたという印象だ。

峠から山中湖へ下る間はエンジンは一度もかかることはなく、ほとんど常時回生しているという状態で山中湖畔の旭日丘交差点へ。この時点でバッテリーはほぼ満タン状態。

ここからがレクサスHS250hのバッテリー駆動の威力が本領発揮だった。旭日丘交差点から山中湖畔を経由し、東富士五湖道路の山中湖インターチェンジまでの約4.5kmを、信号1回停止で一度もエンジンがかかることなく走り抜けたのだ。ここで燃費を一気に挽回し、リッター13km台に。

東富士五湖道路ではおおむね70km/hで巡航したが、その間もエンジンはほとんど無負荷に近い状態。うっかりETCレーンではなく、料金支払いレーンに迷い込んでしまったため、ワンストップのロスが発生するが、それでも燃費は一気に16km台にアップした。その後は往路の登り坂を逆に下る形で走行し、平均速度50km/h程度でレクサスカレッジに到着した。

最終的な燃費はリッター18.7km。明確な比較ではないが、経験的には非ハイブリッドの同クラスモデルであるトヨタ『カムリ』やホンダ『アコード』の2.4リットルモデルで同じルートを走ったときの燃費はリッター12 - 13km前後と推定される。クラウンハイブリッドやミディアムハイクラスのセダンに対し、おおむね4 - 5割ほどの燃費向上が見込める。発進・停止の多い都市部では、さらに差が付く可能性もある。1650kgとやや身重ながら、レクサスHS250hの燃費性能は、このクラスとしてはまさにピカイチと言っていいだろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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