英アストンマーチン(アストンマーティン)は6月29日、トヨタと共同作業によるコンセプトカー『シグネット』(Cygnet)を開発したと発表した。開発ベースはトヨタ『iQ』。流行と贅沢さが求められる都会での移動手段と定義している。クレイモデル製作中の写真からは、アストン伝統のグリルやフロントフェンダーのインテークが反復されていることがわかる。ただし、価格を含む詳細はまだ発表されていない。アストンマーチンは「両社はメーカーとしての規模はまったく違うが、車に対する強い情熱によって支えられる卓越した技術力とイノベーションで構築される信念を共有している」としている。また同社のウルリッヒ・ペッツCEOは「アストンマーチンにとって、今こそこの特別なプロジェクトへ向けて思い切った行動をとるとき」としたうえで、「このコンセプトによって、アストンマーチンのデザイン、クラフトマンシップ、ブランドバリューを全く新しいセグメントへ導入させることができる」と語っている。アストンマーチンは2007年にフォードモーターの手を離れ、現在は投資ファンドの管理下にある。同ブランド史上初めてのセグメント進出という大胆な賭けが、どのように市場に受け入れられるか注目される。いっぽう欧州各国でトヨタ iQは、ようやく大都市でときおり見かけるようになってきたところ。ライバルですでに高い地名度を獲得している『スマート』の壁は厚い。アストン版という「アイドル登場」で、ノーマル版 iQへの注目度も向上するというシナジーがあるかも興味深いところである。古い英国車ファンにとっては、オースチン「ADO16」をベースに造られた小さな高級車『ヴァンデンプラス・プリンセス』を彷彿とさせなくもない話だ。
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