パワーステアリングにウォーターポンプ……。従来エンジンが駆動していた補機類も効率向上のため、電動化されることが珍しくなくなってきた。そんな折り、「人とくるまのテクノロジー展2009」で、更なる電動デバイスを発見したのだ。それは電動スーパーチャージャー。
その名の通りこれは、電気モーターによってエンジンに過給を行なう装置。英国Compound Power Technologies社の製品で、すでに量産スタンバイ状態にあるという。
インテークパイプに取り付ける簡単なファン状のパーツは市販されているが、これはターボのタービン側をモーター化した本格的な遠心式スーパーチャージャー。
最高7万rpmまで回り、風量は不明ながら0.45バールまで圧力を高めることができるそうだ。しかもゼロから7万rpmまでの所要時間は0.35秒と応答性も高い。エンジンの駆動損失がない分、効率が高そうと思いがちだけれど、最大時で4.2kWという消費電力をカバーするためには発電機も容量アップが必要だから、まったくロスがないワケではなさそうだ。
電動ならではのレイアウト自由度の高さと、ボルトオンに最適な低圧過給という特性は、幅広いクルマに対応できそう。果たしてどんなクルマに採用されて実用化されることになるか、登場が楽しみだ。