【ホンダ インサイト 新型】走りの楽しさは必須の条件…関LPL

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ホンダの5ナンバーサイズコンパクトハイブリッドカー、新型『インサイト』(2月5日発表・6日発売)は、「Honda Green Machne 001」いうキャッチフレーズが示すとおり、ホンダの新世代エコカーの第一弾となる。

企業文化とまで言い切っていたF1から撤退し、環境テクノロジーの開発に注力すると宣言したホンダの重要な世界戦略車である。

開発責任者(LPL)は、本田技術研究所四輪開発センターの関康成主任研究員。関氏はクリーンディーゼルを含め、内燃機関畑を主に歩んでいた、いわゆる“エンジン屋”出身だ。その関氏は内燃機関と電気エネルギーのコンバインドパワーソースを持つハイブリッドカー、新型インサイトをどのようなモデルに仕立てたのか。

---ホンダにとって初の市販ハイブリッドカー、初代インサイトが発売されてから今年で10年になります。新型インサイトはハイブリッド車として、技術的にどのように進化したのでしょうか。

関:ハイブリッド車を作り始めて10年。その間、ホンダはさらに2台の『シビックハイブリッド』、『アコードハイブリッド』など、いくつかのハイブリッドカーを送り出しました。それらの経験をふまえ、ここにきて電気モーターとエンジンの協調制御をどうすれば、ハイブリッドカーとしていい特性を得られるのかがようやくわかってきた。その成果を反映させ、ドライブして楽しいと感じられるクルマに仕立てた新型インサイトなんです。

---インサイトはホンダの既存のハイブリッドカーと同様、エンジンのクランクシャフトに1個のモーターを直付けしたパラレルハイブリッド「ホンダIMA」方式を採用しています。ハイブリッドカーとして最も変わった部分はどこなのでしょうか。

関:IMAは機構的にはほぼ全面新設計していますが、IMAの原理はほとんど変わっていません。大きく変わったのは制御です。実用燃費性能を確保しながら、クルマとしての基本性能を充実させ、乗って楽しい、乗って快適といった特性を実現させるべく、チューニングを特に重視しました。「ハイブリッドだからという言い訳を一切しない」というのが開発スタッフの合い言葉でした。

---今までのハイブリッドカーにはネガティブな部分もあり、それを解消するのも開発目標であった、ということですか。

関:はい。私がインサイトのLPLになってすぐ、1泊2日、開発スタッフみんなでライバルメーカー含め、いろいろなハイブリッドカーをドライブしてみるという試乗会を開きました。なにしろ当時、メンバーの半分はハイブリッドカーに乗ったことがないという状況でしたから。

そのドライブのなかで、ハイブリッドの何が良くて何を変えていくべきかという点を洗い出しました。とくに改善すべきだと思われたのは、●アクセルを踏んだ時のレスポンスのずれ、●ブレーキフィールの不自然さ、●アイドリングストップおよび復帰時のスムーズさ、●モーターや制御システムからの高周波音……、などでした。これらの問題を解消することで、ハイブリッドカーであることを意識させない、ドライビングプレジャーと低燃費を両立したクルマを作ろうとしたわけです。

---自然なドライブフィールとのことですが、例えばアクセルレスポンスについてはどのようなチューニングを行ったのでしょうか。

関:開発にあたり、これまでに販売された様々なハイブリッドカーの特性を調べてみたのですが、多くのモデルに共通している特徴として、アクセルレスポンスがスロットル開度によってかなり差があることに気が付きました。

アクセル開度が小さい時にはすぐに狙ったトルクが出るのですが、アクセル開度が大きくなると、ドライバーのイメージするトルクが出るまでに結構タイムラグがあったんです。そこで我々は、アクセル開度に関わらず、要求トルクが出るまでの時間を一定に揃えました。このチューニングが、新型インサイトの軽快な走りの感覚の演出に一役買っていると思います。

---コンパクトクラスのハイブリッドカーというと、旧型インサイトがそうであったように、“燃費スペシャル”というイメージがつきまといますが、新型インサイトは決して燃費ばかりを狙ってはいない、と。

関:そうです。インサイトは低価格と低燃費を両立させたハイブリッドです。オーナーにとっては購入、維持の両方のコストが安くてすむということになりますが、コストのためにクルマをドライブする楽しさを我慢させてしまうようなクルマ作りは絶対にしたくなかった。ホンダ車として、走りの楽しさを持っているということは必須の条件なのです。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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