MSAS対応ですぐれた位置精度を実現
電源スイッチ長押しで電源を入れるとGPS衛星の捕捉が始まり、現在位置が表示される。位置精度は恐ろしく正確だ。カーナビや携帯電話のGPSを使っている人は、GPSというものは最低でも10m程度はずれると思っているかもしれないが、『コロラド300』は違う。
上空が開けた条件のいい場所なら誤差は3メートル前後。実はこの精度がハンディGPSの大きな特徴のひとつで、コロラド300はガーミンのノウハウの詰まった高感度アンテナに加え、MSAS補正機能も搭載する。MSASとはGPS衛星に加えて静止衛星からの信号を捕捉して精度を上げるシステムで、日本では昨年運用が始まったばかりだ。
◆コントラストが高く、直射日光下でも視認性良好
ディスプレイの見やすさも秀逸。コロラド300では半透過型の液晶ディスプレイを採用したことでeTrexHCxなどの反射型液晶に比べると若干視認性は落ちるものの、携帯電話のように直射日光下では見えないということはない。コントラストも十分だ。
高解像度になったことで地図の見やすさも前モデルの60CSxよりアップした。しかも高解像度にも関わらず描画速度は高速。このあたりはパワフルなCPUを搭載した恩恵だが、引き替えにバッテリーライフは60CSxより短くなった。とはいってもアルカリで10時間なので必要にして十分といえるだろう。
◆自在な操作を実現した入力インターフェース“ロックンローラー”
続いてロックンローラーを回して操作をしてみる。地図を表示しているときは尺度の切り替えになっていて、地図がスムーズに拡大、縮小される。ショートカットボタンを押してから回せばさまざまな機能を素早く呼び出せる。その操作感は実に快適だ。
前モデルの60CSxも使いやすかったが、ポケットから取り出したときなどは一度本体を両手で持って操作しやすいように握り直す必要があった。しかしコロラド300ではポケットから取り出したまま持ち替えずにさっと操作できる。小さなことのようだが使ってみるとその差は歴然。ロックンローラーが安直な目新しさを狙っただけのギミックではないことがよく分かる。
つぎは適当な目的地を設定して徒歩でナビゲートをさせてみた。ところが、プリインストールされている地図が20万分の1とやや貧弱で表示される道路は国道や県道など、いわゆる幹線道路まで。それでも徒歩でのナビなら目的地の方角が分かるだけで十分使えるのだが、物足りなさもある。じつは、コロラド300は別途販売されている地図ソフトと組み合わせて使うことを前提としており、プリインストールされている地図は必要最低限なのだ。
地図ソフトは豊富で、道路地図のシティナビゲーター、地形図のTOPO-10M、日本航海参考図などが販売されている。また、海外の地図ソフトも販売されているので海外旅行でも使える。用途に合わせていろいろな地図を使えるのはハンディGPSならではのメリットだ。