■リチウムイオンバッテリーケータイと同様のリチウムイオン電池が動力源EV用として高いエネルギー密度が求められる電池。そこでi MiEVでは、基本的には携帯電話で使われているものと同型、エネルギー密度がきわめて高いリチウムイオン電池を採用している。ひとつのモジュールは4個のセルで構成されていて、それをじつに22個直列につなげることで電池パックにしているのだという。モジュール構造は縦置き/横置きが可能。したがって、ベースモデルとなったiの車体のフロアパネルに大掛かりな改造を行なうことなく、床下に大容量の電池パックを設置することが可能に。ちなみにこの電池は、06年の研究車両に搭載したものから、安全性や信頼性・量産性の面で進化を遂げていて、実際に電池を搭載した2007年の実証走行試験車両では、一回の充電で160km(10・15モード)の航続距離を達成している。■モーターターボ付きガソリン車よりもパワフルな加速力モーターはエンジンと比較して、コンパクトに作ることが可能で、しかも極低回転域からきわめて大きなトルクを発生するのが特徴。i MiEVで採用されているモーターは小型・軽量・高効率が持ち味の“永久磁石式同期型”と呼ばれるタイプで、iが搭載している64psのターボ付き660ccよりはるかに高いポテンシャルを持っている。47kWの最高出力は同一ながら、トルクは660ccターボがある程度のエンジン回転数(3000rpm前後)に達してから94Nmの最大トルクを発生するのに対してモーターは、発進直後、すでに2倍近い180Nmを発生。そのスタートダッシュの差は歴然で、たとえば、停止状態から80km/hに達する加速時間は、660ccターボ車を1.5秒も引き離す。また、振動のない滑らかな回転もモーターの特徴であり、その静かな走りはエンジン駆動とはまったくの別物だ。
【清水和夫のサステナブル・リポート】ダイハツ 新パワートレーン その4…技術開発のキーマンに聞く 中脇康則 上級執行役員 2008年8月19日 ガソリンエンジンの可能性にチャレンジし、CVTとの組み合わせで…