【池原照雄の単眼複眼】ハイブリッドの攻勢に転じるホンダ

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『CR-Z』の早期商品化を宣言

ホンダがハイブリッド車(HV)で攻勢に転じる。2009年での小型ファミリータイプの専用車投入を表明していたが、福井威夫社長は東京モーターショーに参考出品している『CR-Z』をベースにしたモデルの「早い時期の商品化」を宣言した。

コンパクトでさまざまな車種に搭載しやすい同社のHVシステム「IMA」を武器に、積極的な車種展開を図る。福井社長は2010年代の早い時期に世界販売の1割程度をHVとしたい意向だ。

ホンダはトヨタ自動車に次ぐ世界で2番手のHVメーカー。ただ、幅広い車種展開によって急速に販売を伸ばすトヨタからは大きく出遅れている。

◆価格差20万円以内にめど

ホンダの場合も、最大の課題はコストだ。エンジンを動力の主体にするIMAは、トヨタのHVシステムに比べて簡便だが、現状では「コストが高く、なかなか売価に反映しにくい」(福井社長)。利幅は薄く、販売サイドも今ひとつ力が入りにくいのが実情だった。

だが、IMAのコストダウンも着実に進んでいる。最新型の『シビックハイブリッド』は、『シビック』のガソリン車に比べ33万円程度の価格差まで下げてきている。

福井社長は、同等クラスのガソリン車との価格差が「20万円以内なら燃費性能などで取り戻せるので、支持が得られる」と言う。09年に投入する専用モデルは、そうしたコストターゲットにめどをつけたということだ。

◆「スポーツ」へのこだわり

ホンダは東京モーターショーでの『CR-Z』のほか、昨年のロサンゼルスショーでは2シーターの『リミックス』、さらに今年のジュネーブショーでは『スモールハイブリッドスポーツコンセプト』と、相次いでHVのスポーツコンセプトを発表している。CR-Z以外は、初期段階のスタディモデルだが、環境性能と運転の楽しさを両立させる「ホンダHV」へのこだわりをアピールしている。

CR-ZをベースにしたHVスポーツの登場は、小型ファミリーカーの投入と同じ09年になりそうだが、以降も既存車種へのIMA搭載を含めたHVモデルの展開を図る構えだ。2010年代初頭には、HVの世界販売100万台を目指すトヨタとともに自動車市場の新たな潮流をつくり出すことになろう。

《池原照雄》

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