アウディ『R8』は、非日常的なスーパーカーでも、快適性志向のグランドツーリングカーでもない。どちらでもない、というよりは、両者をバランスさせたものになっている。
このことはボンネットとシート後ろにラゲッジスペースを備えていることで裏付けされている。シート後ろにはフルサイズのゴルフバッグ2つが収納可能。前が100リットル、後ろが90リットル。旅行にも使える車に仕上がっている。
また、グループ会社のランボルギーニ『ガヤルド』よりホイールベースも+90mmの2650mmと長め。全高も95mm高くなっている。「ガヤルドは、エキゾチックで、目立つデザインの車になっている。それに対しR8は、シチュエーションを選ばず、ビジネスシーンにも対応できる車だと考えている」と、デザイナーのフランク・ランベルティ氏。
アウディは、この車によってブランドイメージの向上と、新規ユーザーの開拓もできると考えている。年収2000万円前後の収入がある30歳代後半から40歳代後半の人がターゲット。車を複数台所有している人が大半になりそうだが、既にアウディを所有している人よりも、他のスポーツカーから乗り換えるがメインとなる。
今年生産分の50台は既に完売しており、来年度から年間150台の提供ができる模様。ドイツでは07年生産分、イギリスでは08年生産分まで完売している。