マツダは27日、2007年3月期決算会見を行い、6期連続で増収増益を達成し、すべての利益で過去最高益を更新したと発表した。会見に臨んだ井巻久一社長はこの業績を見て「よくぞここまできた。胸にジーンとくるものがある」と述べた。
井巻社長が社長に就任したのは2003年8月。フォードグループ首脳人事の影響で急遽、バトンを受け取った。「本当に私が社長を務まるのか」(井巻社長)と思ったそうだ。
さらに遡ると、マツダの状況は惨憺たるものだった。「フォードからの支援、早期退職、そして宇品第2工場の閉鎖。本当に厳しかった」と井巻社長はしみじみと当時を振り返る。
それが、売上高3兆2475億円(前期比11.2%増)、営業利益1585億円(同28.4%増)、経常利益1278億円(同25.9%増)、当期純利益737億円(同10.5%増)と、いまでは見違えるような業績になった。
ただ、この業績は円安で助けられた部分も大きく、「この成績で喜んではいられない。引き続きいままで以上の努力が必要である」と井巻社長は話し、社員に対しても慢心を許さない考えを示した。