マツダ『ロードスター』に追加された「パワーリトラクタブルハードトップ」(RHT)の魅力は、電動ハードトップでありながら、手動のソフトトップに対してトランクスペースがまったく犠牲になっていないことだ。
メルセデスベンツ『SLK』やプジョー『206CC』、ダイハツ『コペン』といった先出のモデルは、オープン時にはルーフをトランクに格納するために、トランクスペースの50−90%を犠牲にし、トランクに荷物が入っている際にはオープンにできないという弱点があった。
ロードスターの開発主査を務めた貴島孝雄さんは「3代目のロードスターは開発当初からこのカタチのパワーリトラクタブルハードトップの計画がありましたので、シート後方にそのスペースを用意していました」
「やはり、トランクに物が入っているときにオープンにできないのは不便ですし、いちいち保護用のカバーやボードを気にするのも面倒なので、パワーリトラクタブルハードトップではトランク以外の場所にルーフを収納したいと思いました」
「トランクリッドの高さがソフトトップ仕様よりも若干高くなっているので、容量はソフトトップ仕様よりも3.5リットルほど大きくなっています」という。
電動ハードトップで手動ソフトトップよりも、大きいトランク容量を確保しているあたりは高く評価できる。