アウディは13日、パリで、ルマン24時間耐久レースに投入するオープントップ・レーシングカー、「R10」を発表した。アウディはこのレースで、ディーゼルエンジンによって総合優勝をねらう最初のメーカーとなる。
新型車R10のエンジンは同様に新開発の5.5リットルV12気筒ツインターボTDIエンジンを搭載する。出力650HP、トルク1100Nm。静粛性と低燃費を両立させたという。フィルターを装備し、そのスムーズな走りからはディーゼルエンジンだとはわからない、とメーカー。
インジェクション圧力は量産車の1600バールを軽く上回る。パワーバンドは3000−5000rpmにあり、レーシングエンジンとしてはかなり低い。従ってこのトルクカーブでは、前任の「R8」と比べてはるかにシフト回数の減ることが期待される。
シャシーの改革も必要だった。R8と比較してR10はホイールベースが延長されている。ボディは炭素繊維製モノコック。シャシー、エンジン、ギアボックスは一体化されてユニットとして荷重を負担する。
実戦デビューは3月のセブリング12時間耐久を予定している。“本番”のルマン24時間耐久は6月17−18日。すでに11月末の最初のテスト走行は成功を収めており、今後も開発を続けて行く。開発チームはアウディスポーツのスタッフに、R8以来のパートナー、ラインホールド・ヨーストのスタッフが協力した。