【BMW M6海外リポート】その2 エキサイティングな咆哮を発するV10ユニット…河村康彦

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果たして、そんな『M6』の走りに対する期待感は、エンジンに火を入れた瞬間にピークに達する。

イグニッションキーを捻って完爆が起きると、ドライバーは9000rpmまで目盛られたタコメーターの針が一瞬跳ね上がると同時に、何とも迫力満点の咆哮を耳にすることになる。確かに、『M5』の場合もいかにもプレミアム感に富んだ“いい音”は聞かせてくれたもの。が、ポルシェの新型『911』もかくやという“破裂音”とともに回り始めるM6用ユニットが放つ音色は、M5のそれとは明らかに異なったよりエキサイティングなものなのだ。

「いったい、M5がデビューしてからの半年間に何が起こったのか!?」 と一瞬いぶかしく思うも、その原因は単純だった。「M5以上にスポーティなサウンドを演じるために、じつは触媒から後ろ部分の排気系のデザインがM6専用に作り直されている」というからだ。この排気系の担当エンジニアも含め、今回の国際取材会に出席の開発陣たちはいずれもM6のことを『ピュアなスポーツカー』と表現していたのが印象的。「要はM5のパワーパックの積み直しでしょ!」と高をくくっていたぼくの心を見透かすように、BMW M社は新たにM6用の心臓部にファインチューニングを行なっていたというわけだ。

そんなM6で早速走り始める。といっても、この段階ではV型10気筒のエンジンは“400psモード”にセットされた状態。「日常シーンではよりコンフォートに乗ってもらうために」という理由から、まずエンジン始動の段階ではこうして400psモードが選ばれるというのはM5の場合と同じロジック。この状態からコンソール上のパワーボタンを押し込むと、晴れて507psという“フルパワーモード”への再設定が行なわれることになる。

それにしても、M5よりもさらに50kg近く軽いというM6の加速力は、もはや「強力」という言葉を通り越し「強烈」としか表現のしようのないもの。高まる官能的なV10サウンドとともに目覚しい勢いで速度を増して行くさまは、まさに至福の瞬間そのものだ。

組み合わされる7速SMGのプログラミングは「M5のそれと同様」いうが、そのフル加速時のシフト動作の素早さはまさに一流のレーシングドライバーでも敵うまいと思えるもの。シフトパドルがステアリング操作とともに移動してしまうタイプなので、フロア上にも操作レバーを設けたのは理にかなったデザイン。ただし、BMW車の場合、そのフロアレバーの動きがぼくが身に付けているアップ/ダウンのコマンド方向とは逆であるのは困りもの。

結局のところ、世の中には2タイプのシーケンシャルレバーの動きが定着してしまっているが、ここは是非とも好みの方向に“ユーザー設定”が行なえるようにシーケンシャルモードを設定している各メーカーにはお願いをしたい。(つづく)

《河村康彦》

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