【VWゴルフ GTI詳報】 MTでは勝てないDSGの実力

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5月17日に発表された新型VW『ゴルフ』GTIのミッションには次世代のトランスミッションといわれているDSG(ダイレクトシフト・ギアボックス)と6速MTが用意されている。今回初めて、DSGと6速MTの同一モデルを乗り比べたが、MTがDSGに勝ると思える場面は正直一度もなかった。

DSGはマニュアルギアボックスをベースにクラッチ操作やシフトを自動制御するユニット。アルファロメオのセレスピードなども同じ原理だが、DSGは奇数ギア側と偶数ギア側に2組のトランスミッションユニットとクラッチを持つという決定的な違いがある。その結果、MTでは不可能に近い、100分の3〜4秒という短時間での変速が可能となっている。

実際にマニュアルミッションで、どんなにクラッチ操作を素早く頑張ってみても、DSGよりスピーディにシフトを行なうことは不可能だった。MTでクラッチを踏み込むぐらいの時間で、DSGはシフトを終えてしまっている。感覚的にはバイクでクラッチを切らずにシフトアップするのと同じようなレベル。低い回転域では、それよりも速く感じる。

フォルクスワーゲンAGでDSGの開発を行なう、ミハエル・シェイファ氏は「DSGとMTでの0-100km/h加速実験でも、DSGは6.9秒だったの対しMTは7.2秒かかっています。また、1周で約1分30秒かかるドイツのサーキット状のテストコースで、熟練したテストドライバーがDSGとマニュアルを乗り比べたところ、DSGのほうが約2秒も速いタイムを刻むことができました。それだけDSGはスポーティなミッションなのです」とコメント。

ただし残念なのは、ヨーロッパではオプションで装着可能なパドルシフトが、日本仕様には用意されていないこと。理由は欧州でもパドルシフトの人気が高く、生産が日本向けまで追いつかないということだが、今年の秋から発売される予定の06年モデルからは、日本でもオプション装着が可能となる。

DSGを使ってこれだけスポーティに走ることができれば、もはやGTIにMTはいらないのではないかと思えてしまう。それぐらいにDSGは賢く俊敏に働いてくれるのだ。マニュアルミッションにこだわりを持っている人にこそ、一度DSGに乗ってもらいたい。(つづく)

《岡島裕二》

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