前輪はダブルジョイントのロアアームを持つストラット、後輪は5本のアームで構成されるマルチリンクというサスペンション形式は『1シリーズ』と共通する。しかし実際のパーツはチューニングが異なるので同じとはいえない、とサスペンション担当のエンジニアであるヨハン・ミッテラー氏が語った。また先代のセントラルアーム・リヤアクスルよりも5本のマルチリンクのほうがフリクションが大きいのではないかと聞いたら、だからこそブッシュ類のチューニングも含めてフリクション低減には並以上に努力したそうだ。これらによって快適性とスポーツ性能の両方が先代より向上しているという。
『3シリーズ』にも『5シリーズ』と同じアクティブ・フロント・ステアリング(AFS)が選べるようになった。これは6気筒モデルのみのオプションである。5シリーズとはチューニングが異なり、パーキングスピードでのロック・トゥ・ロックがほんのちょっとだけ大きくなった。これにより低速でロックまで切らない限りAFSが装備されていないクルマと区別がつかないほど自然な操舵感になった。
全モデルにDSCが装備されるが、330iには拡張機能付きDSCが装備される。これは通常のDSCの機能に加え、走行安全性と走行快適性の向上に貢献するつぎの追加機能を備えたDSCである。
・精密な制動力の調整が可能なACC
・フェード現象補正機能
・ブレーキ・スタンバイ機能
・ドライ・ブレーキング機能
・ソフト・ストップ機能
・坂道発進アシスト機能
言葉だけでもほとんど理解できるだろう。トラクションコントロールから始まりDSCまでたどり着いたが、これからも進化しそうである。(つづく)