中国ジェイアールバスは21日、同社の周防営業所(山口県光市)に配置してる路線バス車両1台が今年6月中旬に車検切れとなってからも運行を続け、客を乗せた状態で81日間、約1万1000km相当を走らせていたことを明らかにした。
同社では20日までに国土交通省・中国運輸局と山口県警に事態を報告。捜査や監査を受け入れるとしている。
中国ジェイアールバスによると、今回無車検運行が発覚した車両は今年6月19日の車検切れを前に、これに先立つ5月中旬までに民間車検場に入庫させる予定だった。ところが入庫を予定していた時期に予約を入れることができず、検査時期の延期を決めていた。
だが、配車担当者が「すでに車検を終えた」と誤認し、通常の車両ローテーションに組み入れていた。この間に車検切れを迎えていたが、その後もそれが発覚することは無く、JR光駅前発着の便を中心に81日間も運行し、その間に約1万1000kmを走行。延べ4800人あまりを乗せていた。
車検切れが発覚したのは今月19日で、同社では国土交通省・中国運輸局と山口県警に事態を報告するとともに、同社が保有する289台の車両についても無車検運行が無かったか調査を行った。中国運輸局は22日中に同社への特別監査を実施する方針で、警察もこれに引き続く形で道路運送車両法違反容疑での捜査を行うという。
同社では「初歩的なミスでお客様にはご迷惑とご心配をお掛けした。以後の再発防止に努める」とコメントしている。