英国紳士スタイルで200人のライダーが東京ツーリング…トライアンフが賛同するチャリティライドの目的とは

トライアンフ DGR東京ライド
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◆200台以上が集まったチャリティライドイベント

2023年5月21日(日)、東京を舞台としたライドイベント「DGR」(The Distinguished Gentleman's Ride)が開催された。2012年に創設されたDGRは、男性の健康をサポートするためのプログラムだ。

トライアンフ DGR東京ライドトライアンフ DGR東京ライド

世界各地でライダーが集い、パレードランをしながら広く募金を呼びかけるグローバルチャリティイベントで、トライアンフは2014年からDGRの趣旨に賛同し公式パートナーを継続して務めている。

2023年のDGRは10回目の記念イベントであるとともに、コロナ禍からの再スタートと重なり、東京で開催されたDGRイベント(東京ライド)には200台以上のモーターサイクルが集まった。

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DGRでは賛同者によるライドイベントのほか募金活動が行なわれる。集められた募金は、前立腺がんの研究と男性のメンタルヘルス支援のために世界各地で使用される。2012年からの募金総額は3750万ドル(約52億2900万円/執筆時の為替レートによる)、賛同ライダーは34万人、参加国は121を数える。

◆ジェントルな装いでモーターサイクルに乗ろう!

筆者もDGRに賛同し、ライドイベントには「Scrambler 900」で参加した。正直に告白すると、これまでいわゆる募金活動に協力したことはあったが、こうしたチャリティイベントへの参加は始めてだった。

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同じ目的(男性の健康を身体的/精神的の両面からサポートする)をもった賛同者(東京ライドの参加者は220名以上)が一堂に会し、事前に決められたルートを自身のバイクで走る。言ってみればそれだけ、と安易に考えていた。

でも、DGRに賛同し、東京ライドに参加したことの意義は個人的に大きかった。賛同者たちは必ずしも知り合いとは限らず、むしろ多くは初めて会場で顔を合わせた人同士だ。よって、他人以上、知り合い未満の微妙な関係からスタートする。だからなのだろう。駐輪場を兼ねた集合場所では自身のモーターサイクルをきっかけに、互いが話の糸口を探り出す。

もっとも、ここまでならツーリング途中のライダーが旅先で経験する交流と大差はない。DGRではもうひとつの要素として、出で立ち、つまりライダーの装いを「クラシック風」あるいは「ビンテージ風」に集約し、それをドレスコードとした。つまり、「みんなで正装してモーターサイクルに乗ろう!」というお題を設けたのだ。

狙い通り、会場での話題はモーターサイクルだけでなく、参加者それぞれのファッションにまで及ぶ。当然ながら個性際立つ正装スタイルだから笑顔と共に会話は盛り上がる。そして相互理解が進んだところで、DGRが掲げる2つのテーマへと自然に話が及んでいく……。参加者であり賛同者である個人が心を一つにする。こうした一面があることも東京ライドの大きな意義なのだと実感した。

◆前立腺がんの研究と男性のメンタルヘルス支援のために

そのDGRが掲げる2つのテーマ。一つ目は前立腺がんだ。国と地域を問わず男性で2番目に多いがんとして知られている。現在、世界中で1000万人以上の男性が前立腺がんの診断を受け、生活しているという。

二つ目はメンタルヘルス。生きづらさに絶えられず自死を選択してしまう男性が世界で毎年50万人にも及ぶ。DGRでは参加者同士が顔を合わせ、互いを知るために会話の糸口を探り合うわけだが、こうした何気ない人と人とのコミュニケーションは、メンタルヘルスの改善にむけた効果的な手法のひとつだ。

トライアンフモーターサイクルズジャパン社長 大貫陽介さんトライアンフモーターサイクルズジャパン社長 大貫陽介さん

東京ライドのスタート前に、トライアンフモーターサイクルズジャパンの社長である大貫陽介さんから、トライアンフがDGRに賛同し続ける想いと、今回の東京ライドへの意気込みが語られた。大貫さん自身も東京ライドにトライアンフで参加された。

トライアンフ DGR東京ライドトライアンフ DGR東京ライド

200台以上の参加者だが、道中での安全確保を最優先したことから全車一斉のスタートはせず、10台以下の小グループにわけ、時間をおいてスタートさせた。羽田空港近くの京浜島から走り出し、豊洲市場、築地、銀座を走り、東京タワー周辺からレインボーブリッジを渡って青海エリアを目指した。

トライアンフ DGR東京ライドトライアンフ DGR東京ライド

もっとも10台以下でスタートしても、集団走行が第一の目的ではないので交通の流れに合わせて走ると自ずと数台ごとになる。とはいえ長い道中、信号待ちのタイミングで前後の小グループの数台が混じり合うこともあった。

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◆パートナーシップ10周年を記念した『ボンネビル T120 ブラック DGR リミテッド エディション』も登場

また、参加者はトライアンフはじめ個性的なモーターサイクルばかり。しかも正装したライダーが都心をゆるりと流す光景はちょっとした異国感があったのだろう。街ゆく人の目を奪っていたのが印象的だった。

なおトライアンフでは、DGRへのパートナーシップ10周年を記念して「DGR リミテッド エディション」を販売すると発表した。その数、世界限定250台。

トライアンフ ボンネビル T120 ブラック DGR リミテッド エディショントライアンフ ボンネビル T120 ブラック DGR リミテッド エディション

「ボンネビル T120 ブラック」をベースに、DGRのメタリックブラックとホワイトの2トーンペイント、タンクとサイドパネルのカスタムロゴ、ゴールドのディテール、特徴的なブラウンのシートなど、DGRの公式ブランディングが各所に施され、1台ごとにDGR創設者のマーク・ハーワーとトライアンフCEOのニック・ブロアのサインとシリアルナンバー入りの証明書が付属する。

西村直人|交通コメンテーター
クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

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