MINI、次世代モビリティへの取り組みを発表へ…ミニバンコンセプトを通じて

自動運転モードではステアリングホイールとペダルが格納

フロントグリルは自動運転のためのインテリジェンスパネルに

車内をリビングルームに変えることが可能

MINI ビジョン・アーバノート
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BMWグループは3月4日、デジタルイベントの「ミュンヘンクリエイティブビジネスウィーク」において3月11日、MINIのコンセプトカー『ビジョン・アーバノート』(MINI Vision Urbanaut)を通じて、MINIの次世代モビリティへの取り組みを公開すると発表した。

ビジョン・アーバノートは、空間のビジョンのまったく新たな解釈を提案する自動運転のEVミニバンコンセプトカーだ。従来にないインテリア空間と多用途性を提供しながら、占有面積は最小限に抑えている。

自動運転モードではステアリングホイールとペダルが格納

ビジョン・アーバノートの体験世界の中核となるのが、「MINIトークン」だ。MINIトークンは、ウォーリー・ストーンとほぼ同じ大きさで、車体中央のテーブルにある専用設計のスロットに入れると、あらかじめ設定されている3種類の「MINIモーメント」(「Chill」、「Wanderlust」、「Vibe」)が起動する。さらに、「マイMINIモーメント」など、その他のMINIモーメントも考えられる。ここでは、個人に特化した別の体験を提供するように、MINIトークンをプログラムすることができる。その中でユーザーは、香り、アンビエントライト、音楽などについて、自分の好きなシナリオを設定し、後からそれを直接呼び出すことができる。

自動運転時には、中央の丸型メーターのユーザーインターフェースが、1950~1960年代の観光ポスターから着想を得た旅の世界を反映する見た目に変わる。ルートのアニメーションと一緒に、観光名所や到着時刻といった追加の旅行情報が、乗員のために表示される。リアのベンチシートの上のループは、ぼやけて見える景色をオレンジとターコイズの混ざった色でシミュレートすることにより、移動感を視覚化する。

乗員が自ら運転したい場合、MINIロゴを指でタップすることで、ステアリングホイールとペダルが引き出される。ダッシュボードの3Dディスプレイは、ルート案内や危険に対する警告を表示する。ダッシュボードには、その他の走行関連のディスプレイはない。自動運転モードを作動させると、ステアリングホイールとペダルが引き込まれ、ダッシュボードからドライビングディスプレイが消える。外装では、フロントとリアのLEDマトリクスライトのグラフィックスが、自動運転モードが作動しているのか、乗員が自ら運転しているのかを表示する。

フロントグリルは自動運転のためのインテリジェンスパネルに

ビジョン・アーバノートのエクステリアは、平滑でほぼ継ぎ目のないボディが特長だ。MINIの流儀に従い、ホイールは車体の四隅に配置され、ショートオーバーハングのデザインとした。

フロントマスクでは、MINIのデザインアイコンのヘッドライトとグリルに、新たな方向性を提示した。細長い開口部を持つフライス加工されたアルミ製構造物の下に配置されるヘッドライトは、点灯している時だけ見える。「マルチカラー・ダイナミック・マトリクス・デザイン」のおかげで、さまざまな色のグラフィックスを表示することができ、それによって車両と外界との間に、新たな形のコミュニケーションが生み出されるという。

フロントグリルは、MINIの伝統的な六角形から、八角形に進化した。ビジョン・アーバノートは、冷却風を必要とする内燃エンジンを搭載していない。自動運転のためのインテリジェンスパネルとして機能する。

ヘッドライトと同様に、フライス加工されたアルミ製カバーの奥にある「マルチカラー・ダイナミック・マトリクス・リア・ライト」は、走行モードの応じて異なる表情を示す。凸面のデザインは、MINIとクラシックMiniに敬意を表したものだという。リアウインドウの輪郭は、フロントグリルの形状と同じイメージを持たせた。

艶消しカラーの「ゼロ・グラビティ」は、ブルーフリップ効果のあるメタリックグリーンから、繊細な色調のグレーへと変化する。ウインドウは、下から上にかけて連続的に薄くなるボディカラーと同色のパターン。このパターンのおかげで、ウインドウを暗くしなくても一定のプライバシーが保たれ、インテリアは明るいままという。

車内をリビングルームに変えることが可能

ビジョン・アーバノートは、MINIとしては異例の背の高さを持つ。しかし、全長は4460mmに抑え、さまざまな方法で利用可能なインテリア空間を提供し、車内の移動をこれまでになく容易にするという。

目的地に到着すると、数回の簡単な手順で、車内をリビングルームに変えることができる。乗員は、車体側面の大きなスライディングドアを通って、キャビンに入る。最新のスライド旋回機構が採用された。運転席側にも助手席側にも、ドアはない。

室内は4シーターレイアウトで、2つのフロントシートは回転する。後席は、バックレストを手動で折り畳んだり、向きを変えたりすることができる。車両が停止している時は、ダッシュボードが下がり、快適に腰掛けられる場所、「デイベッド」に変わる。停車中には、フロントウインドウを上に開き、「ストリートバルコニー」を作ることができる。

キャビン後部のより暗い環境は、より静かな空間の「コジーコーナー」となる。ファブリックで覆われた「ループ」がベンチシートの上に広がり、LEDバックライトを点灯させることもできる。コジーコーナーとドライバーズエリアの間には、解放的で広々とした車体中央部があり、このおかげですべての座席に素早くアクセスできる。ドアが開いていれば、フロアに座ることも可能だ。入口ドアの反対側の車体側面には、植物を備えた小さなテーブルが組み込まれた。このテーブルは、車両の新しい中心点として、乗員同士が出合い、顔を合わせ、関わり合う場所になるという。

BMWグループは3月11日、デジタルイベントのミュンヘンクリエイティブビジネスウィークにおいて、MINIビジョン・アーバノートを通じて、MINIの次世代モビリティへの取り組みを発表する。

当日は、MINIのデザインを統括するオリバー・ヘイルマー氏が登場する予定。MINIビジョン・アーバノートが、乗員のプライベートスペースを車両の外側に拡大するために、どのようにデザインされているかについて明らかにする、としている。

《森脇稔》

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