BMWの二輪部門のBMWモトラッド(BMW Motorrad)は8月27日、「Mエンデュランスチェーン」を欧州で発表した。
Mエンデュランスチェーンには、従来の「Xリングチェーン」と同様に、Xリングで囲まれたローラーとピンの間に潤滑剤が充填されている。しかし、Mエンデュランスチェーンでは、従来ローラーに必要だった潤滑剤、いわゆる「チェーン潤滑」を不要にしている。BMWモトラッドは、Mエンデュランスチェーンによって初めて、従来と同等の性能を持つメンテナンスフリーチェーンを提供するという。
これは、ローラーに新しいコーティング素材、工業用ダイヤモンドとも呼ばれる「アモルファスカーボン」を使用することで可能になった。このコーティングは、高い硬度と抵抗が特長だ。これまで使用されていた金属とは異なり、工業用ダイヤモンドのコーティングは摩耗しないという。
Mエンデュランスチェーンのアモルファスカーボンコーティングローラーは、優れたドライ潤滑特性と摩耗の排除により、シャフトドライブモーターサイクルと同等のメンテナンス性を可能にする。従来のチェーンでは、潤滑剤の飛散のために避けられなかった洗浄作業も不要とした。これにより、Mエンデュランスチェーンは、環境への配慮も最大限に高めているという。
Mエンデュランスチェーンは、まずは欧州向けのBMW 『S 1000 RR』と『S 1000 XR』の2つの4シリンダーモデルに設定された。BMWモトラッドは、他のモデルにも、Mエンデュランスチェーンを拡大展開する、としている。